【アセトラ】不動産投資の融資付けの基本と相談先について
最終更新日: 2024.01.12
不動産投資は、他の資産運用とは違って「融資を受けて」行うことが珍しくありません。それほど、不動産投資は大金が必要になることが多いためです。
そして、融資を受けて行うからこそ、自己資金だけで動くより高い投資効率を得られるのですが...。その肝心の融資は「必ず受けられるものではない」点が問題といえます。
不動産投資をする場合は、融資のことを意識しながら考えていきましょう。
今回は、融資を前提とした代表的な不動産投資商材とともに、融資付けの基本についてお伝えします。ぜひ最後までお読み頂き、皆さんの参考にして頂けますと幸いです。
■この記事のポイント
- 大金が動きやすい不動産投資に、融資は必要不可欠なもの
- 融資は誰でも受けられるものではなく、当人の個人属性や資産背景と対象不動産次第
- まずは頼れる不動産業者を探し出し、そこで金融機関を紹介してもらうと合理的
1.融資を必要としがちな不動産投資商材について
そもそも不動産投資の投資対象は、「一定の資産性や利益が見込める不動産」が元本という元手になります。収益を得るには少なくとも数千万円から数億円という多額の資金や元手の資産が必要になるのが普通です。
貯蓄の全額を投資に回すのも非現実的ですし、元本を自己資金で全て賄える方はごく少数です。
ですから、投資対象となる不動産が高額であればあるほど、融資は必要不可欠になります。
以下、代表的な高価格帯の不動産投資商材について一つずつ見ていきましょう。
一棟マンション・サ高住など
不動産投資で多くの人が最初に思い浮かべる投資対象でしょう。
ワンルームマンションヘの投資もありますが、高年収の方ほど、利益や節税効果などを考えてアパートやマンション一棟への投資を選ぶ方も多いはずです。
アパートやマンション一棟への投資の場合、一度に多くの人に貸し出せるため、その分だけ空室リスク(借り手がつかずに家賃が入ってこないリスク)の割合を減らせるのも嬉しい点です。
最近では少子高齢化社会の影響で、少し趣向を変えた「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)」も人気が高まりつつあります。
店舗・コインランドリーなど
何らかの店舗型不動産に投資したり、アパートマンション(一棟)の一部を店舗用として貸し出すこともあります。
店舗の場合、住まいと比べて一般的に高い賃料を設定ができるのが特徴的です。ただし、住まいと比べて景気など経済事情の影響を受けやすいので、浮き沈みが激しい点には注意が必要です。
立地によっては、(自分でその不動産を使って)コインランドリーなど手間が少ない経営をするのも一考です。
ひとまずは汎用的な店舗を賃貸に出しつつ、テナント付けが厳しい場合には自分で何らかの経営をすることを視野に入れておくのも良いかもしれません。
オフィスビル・商業ビル
文字通りのオフィスビルや商業ビルも投資対象です。
どちらも、住まいよりも割高な家賃が期待できますが、投資規模も大きく膨らむことになります。2つを比べると、一般的に、商業ビルのほうが高い賃料が期待できる代わりに、入退去のスパンも早い≒短期になる傾向があります。
どちらにしても十分に市場調査をしたうえで進めていきましょう。
融資を前提とする場合のポイントについて
不動産投資は、他の資産運用に比べれば収入は安定的ですが、空室リスクという怖い不確定要素があります。
また、大きな融資を受けた場合、時には収入が返済額を下回ることもあるかもしれません。そんな時でも相応に対処できる程度の自己資金を確保したうえで投資を始めましょう。
不動産投資に空室リスクは付き物ですが、一方で不動産投資には「サブリース契約」があります。
サブリース契約とは、サブリース業者が対象不動産を一括で借り上げてくれる契約です。これを活用できれば、不安定なはずの収入を安定させることができます。
またサブリース契約をすると、「融資が受けやすくなる」のも大きなメリットです。
ただし、サブリース契約はトラブルも少なくありません。
利用する際は、「賃貸住宅管理業者登録」を行っている業者であることはもちろん、その業者の経営の安定性や賃貸管理の実績などをよく確認し、信頼できる業者と契約するようにしましょう。
2. 融資を前提とする場合のポイントについて
融資は銀行などで受けるものですが、口座開設などと違って望めば基本的に誰にでもしてくれるものではありません。
まずは銀行などに融資相談をするのが出発点ですが、その後に「銀行などによる審査」があり、これをパスしてようやく融資してもらえます。
審査とは、「この人はちゃんとお金を返してくれそうかどうか」という確認&検討作業です。
多角的な観点から行われますが、不動産投資の場合だと、「当人の属性や資産背景、人間的・賃貸経営の資質」と「対象不動産の収益性などについて」を見られることになります。
「最初に人、次にモノ」の順で見られることが多いです。
極論、モノはこれから準備するのでどうとでも対処できますが、人に関しては簡単には状況を変えられないため、重く見られます。例えば、高所得の方ほど融資を受けやすいものですが、収入の内容など他の要素で躓(つまづ)くかもしれません。
日頃から、お金の流れなどについてはご自身で注意しておくと良いでしょう。
当人に関する審査ついて
おおよそ当人に関する審査は以下のような点を見られます。
- 当人の収入や勤務先・勤務歴
- 当人の資産状況・頭金
- 借入金の有無・過去の返済事情
- 不動産投資の経験
初めて不動産投資をするなら、経験についてはナシでも仕方ありません。
ただ、その分、他の要素が重要になります。
安定的に今後も相応の収入がありそうか、(浪費癖なども含めて)少しくらい不動産投資が上手くいかなくても十分に返済できそうか、そして何より返済について誠実に対応してくれる人なのかどうか...。
合わせて、「当人の年齢」も重要な要素です。
年齢は定年までの期間のほか、金融機関ごとに定めている完済年齢にも影響してきます。
年齢は努力のしようがない要素ですが、無視してもらえないからこそ、少しでも若いうち・早いうちの行動を意識しましょう。
対象不動産について
対象不動産については、素直に「不動産の資産性や収益性」がポイントです。これらが高いほどに安定的な返済が見込めますし、万一投資としては厳しい結果になっても、最悪、不動産を売却してもらえば返済できると見なされます。
合わせて、「物件の構造や築年数」も重要です。これらによって物件の(法定)耐用年数が決まり、これがそのまま「ローンの返済期間」にも影響してきます。返済期間を長く取りたいほどに、対象物件の構造や築年数も気にしておきましょう。
付随する形で、「事業計画」も大事な要素です。計画がしっかりしているほどに、返済について安心感を与えられます。
おおよそ、融資の際にはこれらの要素がポイントになります。初めての場合は、これで良いのかどうかの判断さえ難しいでしょうが、頼れる不動産業者などにも相談しながら、しっかり融資相談の前に準備に励みましょう。
融資付けの相談先について
まず、直接的な融資をしてくれる先としては、以下のような金融機関等が挙げられます。
- 都市銀行・地方銀行
- 信用金庫
- ノンバンク
- 日本政策金融公庫
ただし、これらは不動産投資のプロではありません。また、各金融機関の考え方やルールに基づいて、こちらにそれらを当てはめてきます。
できれば、こちら側の事情や考え方に合わせて、なるべくこちらから金融機関を選べたほうが効果的です。
全国展開している不動産業者なら、こちら側の事情を理解したうえで、こちら側に最適な金融機関も教えてくれます。商材に関する相談やサブリースなどに関する相談も合わせて受けてくれますから、極めて合理的です。
総じて、まずは頼れる不動産業者を見つけ、そこで商材やサブリースなどを固め、そのうえで融資に適した金融機関を紹介してもらう流れが理想的といえます。それだけ付き合う不動産業者選びが重要になりますので、しっかり見極めていきましょう。
3.まとめ
大金が動きやすい不動産投資に、融資は必要不可欠なものです。しかし融資は誰にでも簡単にしてもらえるものではなく、当人の様々な資質とともに、どのような不動産に投資するつもりなのかが重要になります。
まずは頼れる不動産業者を探し出し、融資を含めて、一緒になって事を進めていきましょう。
<執筆者プロフィール>
マイアドバイザー®
商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て、2008年8月8日に開業。
現在は日本初の「婚活FP」として、恋愛・婚活・結婚・離婚×お金をメインテーマに活動中。婚活中の方や新婚夫婦、または独身を貫きたい方など、比較的若い方向けのご相談や執筆、講演を行っています。趣味は漫画(約6,000冊所有)。
【保有資格】
・CFP®(婚活FP)
<監修者プロフィール>
株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘
マイアドバイザー®
Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFP®/マイアドバイザー®として活動している。
NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。
【保有資格】
・CFP®・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)
注目のハッシュタグ
お悩みから探す
カテゴリから探す
人気記事ランキング