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【アセトラ】賃貸経営における管理方法とその業態

最終更新日: 2023.11.17

老朽化した建物を建て替えた後、大事なことは入居者のニーズに沿った管理業務をしっかり継続することです。

 

このコラムでは全3回にわたり空室出にくい、出てもすぐに入居する、入居者に選ばれる物件にするための初期投資、空室対策、管理方法についての考え方をお伝えしています。

 

最終回となる3回目は賃貸経営のかなめとなる「賃貸管理方法とその業態」について見ていきましょう。

 

1.賃貸管理の業務内容

賃貸経営は、空室や家賃下落を防ぐためにも適切に物件を管理していく必要があります。

ここではニーズの高い物件にするため、管理業務について把握するべきポイントをお伝えします。

 

賃貸管理は以下の6項目に分けられます。建物や設備の管理と空室管理(対策)4~6については前回までのコラムでご説明していますので、今回は1~3についてお伝えします。

【アセトラ】賃貸経営で投資する時にまず考えること

【アセトラ】賃貸経営の空室対策

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作成:執筆者

 

1-1.契約管理

入居者の募集や賃貸契約、それに伴う手続きのことをいいます。新規入居時のほか更新時や解約時の手続きも含まれます。

この項目は不動産仲介業者が入ることが一般的です。すでに委託している大家さんも多いかもしれません。

 

ポイント)

契約の際に不備があると、入居者とのトラブルが発生する恐れがあり、損害賠償や物件の信用を失墜させてしまいかねないので、細心の注意を払いましょう。

 

例えば、筆者は転居前に新居の自転車置き場について仲介業者に問い合わせましたが、引っ越してから1週間たっても返事が無く、再度こちらから連絡してようやく回答をもらいました。
最初からこのような対応の不備があると、以降の不信感がなかなかぬぐえません。

 

1-2.家賃管理業務

賃貸契約で定めた毎月の家賃を回収する業務です。

賃貸経営において重要な仕事の一つで、滞納した場合の督促や回収作業を含みトラブルになりやすい業務でもあります。

 

賃貸事業経営において、「空室の抑制」よりも重要なことがあります。それは「確実な家賃回収」です。

空室は、次の入居者を募集することで解消できますが、家賃滞納は滞納した人から回収するには手間や時間がかかり、回収できなかった時には大きな損失を被るばかりか、退去交渉などにも大きな時間と労力を要することも少なくありません。

 

ここで2020年の賃貸住宅の滞納率の推移を見てみましょう。

 

図表1 滞納率推移

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出典:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会第25回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』


 

図表1でコロナがまん延した2020年下期の月初全体の滞納率を見ると全体で5%、関西圏は8.2%もの滞納が発生していることがわかります。

 

筆者もこの頃ダイニングバーを経営していました。時短営業になり、人が出歩かなくなり売上が無い状況が続いたため、物件の大家さんに落ち着くまで家賃の支払いを待っていただくようお願いしました。

応じてはもらえましたが、結局分割でもよいので未払い分を支払うようにと管理会社から督促され、後日支払いました。

 

知人のテナント物件の大家さんの中には同じようなコロナの状況の時、3か月間の賃料を免除した方もいます。

 

ポイント)

この例のようにやむにやまれず家賃の滞納が発生した場合、どのような対処法をとるかは大家さん次第ですが、事業として先を見据えて判断することが大事になります。

 

なにより滞納を未然に防ぐことが重要です。事前の対策として入居者に連帯保証人を立ててもらったり、家賃保証会社に加入することなどがあげられます。

家賃保証会社を経由して家賃収納をしていた場合など、家賃滞納が発生したときに保証会社から大家さんに家賃が支払われます。家賃の督促や回収も保証会社の業務となり、保証料は入居者が支払うため、大家さんにとってメリットの大きい対策といえます。

 

1-3入居者管理

「付帯設備のエアコンが壊れた」「近隣の音がうるさい」など入居者から寄せられるさまざまなクレームや要望、相談への対応が入居者管理です。

また、共用部分に私物を置いたり、ゴミ出しのルールを守らない人へ注意や連絡する、退去する際の立ち合い確認や原状回復費用についての交渉等、入居者とのやり取りもこの業務です。

 

ポイント)

夜中に水回りのトラブルが発生した、玄関キーを無くして家に入れないなどのトラブルは36524時間発生する可能性があります。

これらの相談や要望が来た時に、相談者に対しどれだけスムーズに、気持ちよく対応できるかで、入居者の満足度が大きく変わります。

クレームや要望に対応するため外部業者の協力が必要です。電気や水道等の困ったことに早期に応じてくれる賃貸管理の専門業者との連携も重要なポイントになります。

 

 

2.賃貸管理業務の管理形態

ここまで賃貸経営の業務についてお伝えしてきました。これらの管理業務を行うにあたっては、自主管理、管理委託、サブリースの3つの形態があります。

それぞれのメリット・デメリットとポイントを見ていきしょう。

 

2-1.自主管理

すべての管理業務をオーナーである大家さんが行います。

 

【メリット】

自分が動くことで管理委託手数料等の経費が掛からず、経済的負担が少なくなります。

【デメリット】

様々な業務に対応するため、時間的な負担と心理的負担が大きくなります。

 

ポイント)

特に24時間体制で管理対応が迫られたり、1-3の家賃滞納への処理やクレーム対応などでストレスが重なり、気力・体力がなくなってしまったりすることがあります。そのほか長期修繕計画やそれにかかる経費も考えなければならず、専門知識を持った専業大家さんでない限り、個人ですべてを担うのは難しいといえます。

 

2-2.管理委託

管理業務の全部、もしくは一部を管理業者に委託します。

 

【メリット】

自主管理に比べ時間的な負担と心理的負担が少なくなります。自分が負担に思う業務や時間的に難しい業務を委託することで、ストレスを減らすことができます。

【デメリット】

委託する業務の管理委託手数料がかかります。また、それぞれ専門の複数の評者に委託すると、やり取りが煩雑になる恐れがあります。

 

ポイント)

自分が受け持つ業務以外を委託することで、サブリースより管理委託手数料を抑えることが可能となります。また24時間トラブルに対応する業者と連携すると、自分の時間を確保しやすくなります。

 

2-3.サブリース

管理業務をほぼ管理業者に委託します。以前流れていたテレビコマーシャルでサブリースのことを「一括借り上げ」などのワードで耳にした方も多いのではないでしょうか。

賃貸物件をすべて管理業者に借り上げてもらい、空室となった場合でも決められた賃料が支払われるなど一定の収入を見込むことができる手法です。

 

【メリット】

物件を一括してサブリース業者に賃貸するため、安定的な家賃収入となります。

 

ポイント)

サブリース業者が賃借人なので(4)の建物管理以外はサブリース業者が入居者とやり取りすることになり、煩雑な賃貸経営業務から解放されます。

また、空室の有無にかかわらず一定額の家賃の支払いが保証される家賃保証の他、入居者の入退去の際にかかる原状回復費用、外壁や配管、共用部の修繕費用などの負担も行うケースもあります。

サブリースとひとくちに言っても、会社ごとに保証期間や保証内容が異なりますので、比較をおすすめします。

 

【デメリット】

委託管理に比べて手数料が高く、経済的負担が大きくなります。さらに、家賃の見直しが数年ごとにあるので家賃の減額を求められる場合もあります。

 

ポイント)

サブリースの契約を解約することが難しいため、相続などが発生した場合に現金化したくても売却しにくく、買い手がなかなか見つからなければ相場より安い価格で売ることになる場合も考えられます。

不動産会社によってはサブリースを継承する売り物件を取り扱っている場合がありますので、あきらめずに管理業者等に相談してみましょう。

3.まとめ

賃貸管理の多岐にわたる業務をみて、専業大家としてすべて担うか、どこまでを専門業者に任せるか、ご自身が不動産賃貸業に割ける労力と時間、長期間の事業計画に基づいて総合的に判断しましょう。

 

何度もお伝えしてきましたが、空室の出にくい、出てもすぐに入居者が決まるニーズの高い物件であるためには、賃貸管理を含め入居者の期待に応えるサービスの提供をし続けることが大切です。

 

ニーズを掴み、入居者に選ばれる物件にすることが安定した賃貸経営の一番のポイントと考え、実績とノウハウを蓄積・保有している専門家の力も借りながら、無理のない賃貸経営を継続していきましょう。



<執筆者プロフィール>

株式会社オフィスヤザワ 矢澤理惠

マイアドバイザー®

平成19年に郵便局を退職し、独立系ファイナンシャルプランナーに転身。知らないと損をする、知っていることの大切さをお伝えするべく活動中。

現在は、相続や、ライフプランニング相談、確定拠出年金などのアドバイスの他、東京・横浜などでマネーセミナーを開催。その他、趣味が高じてカーパーツのショップをオープンし、サーキットイベントなどに携わっています。

 

【保有資格】

CFP®認定者



<監修者プロフィール>

株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘

マイアドバイザー®
Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFP®/マイアドバイザー®として活動している。
NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。


【保有資格】
・CFP®・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)