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【アセトラ】賃貸経営の空室対策

最終更新日: 2023.11.01

保有物件が満室になったとしても手放しで喜んでいられません。大事なことは時間が経過しても、空室の出ない安定した賃貸経営を継続することです。

 

この記事では全3回にわたり、入居者に選ばれる物件にするための初期投資、空室対策、管理方法についての考え方をお伝えしています。

 

2回目は、賃貸経営の最大のテーマとも言える「空室対策」について見ていきましょう。

 

【ポイント】

・空室対策として近年の入居者のニーズを把握する

・ニーズが増えている物件例として、ペット可とガレージ付き物件を紹介

・住み続けたいと考える物件にするためには、共用部・室内の管理とその時々のニーズに合っ

 た設備投資も大事

賃貸経営の中で安定した収入を得るためにもっとも重要なこと、それは空室を出さないことです。
設定された家賃を支払ってもよいと思える魅力があれば、家賃を下げて入居者を募集する必要もありません。

1.空室対策(空室管理)

1回目の投資をする時にまず考えることでは、ニーズに合った物件作りの重要性をお伝えしました。駅近など利便性が高ければある程度の数の入居者を見込めます。

ただ、利便性が悪い場合、それでも選ばれる物件になるための対策を打っておく必要があります。

 

1-1.入居者のニーズは?

入居者が望む設備や快適と感じる設備=ハードは人それぞれです。

(自分にとって)快適な設備があると嬉しい、ペットを飼いたいというクオリティーが高い物件を求める方もいれば、とにかく割安な家賃が良いというコスパ重視の方もいます。

また、最近では一昔前と違い「バス・トイレ別は当たり前!」という方も多くなっています。

 

どれだけ近年の入居者ニーズに対応できているか?で、空室が起きないこともある・・・と考えても良いでしょう。

 

ここで「転居先の住宅を選ぶ際に重視する点・賃貸住宅のタイプ」を見てみます。

 

図表1

 

画像2.png

出典:一般財団法人住宅改良開発公社令和2年「賃貸住宅市場の動向と将来予測調査」

 

注目したいのは緑色の「家賃や管理費が高くても入居したい」の点です。

 

一番数字の大きい項目が「新築の賃貸住宅」、2番目が「災害対策に優れた賃貸住宅」、そして3番目は「ペット可賃貸住宅」となっています。

 

その際に、耐火・耐震性能等の災害対策、省エネ法改正も踏まえた対応もすることで、ニーズの高い2つのポイントをクリアすることになります。

とはいえ、新築の時期はほんの一瞬です。時間が経過しても古いと思われない美観や機能を保つための維持管理がとても重要となります。

2.ニーズが増えている物件

近年ニーズが増えている例を、いくつか挙げましょう。

 

2-1. ペットと暮らす

最近は「ペットは家族」という考えを持つ方が増え、ペット可の賃貸物件も多く見受けられるようになりました。

ただ、その多くは、小型の犬または猫等が最大2匹までで、3匹以上や大型犬ともなると探してもなかなか見つかりません。

そこで3匹以上や大型犬等のペット可の賃貸は人気が高い物件です。多少交通等が不便でも入居希望者は見込めるでしょう。

 

さらに、設計段階で建物の入り口にペットの足洗い場を設置するなどの細かい配慮をしておくことでさらに入居者のニーズを満たすことになります

設備投資すると費用が高くなりますが、その分家賃を高めに設定できます。

 

ペットの多頭飼いを受け入れると、室内が傷む等の心配はありますが、最初から退去時に、「リフォームに使うため敷金を返還しない」などを明示することで対応できます。

 

 

2-2. ガレージ付き物件

ガレージ付き賃貸物件も人気です。

諸事情で戸建てには住めなくても、自動車、バイク、自転車などを大事にし、手元に置いて生活したい層に需要があります。

 

基本的に、自動車などで移動する生活スタイルであれば、駅から遠くても問題になりません。例えば、青空駐車ではなくて1階がシャッター付きガレージで2階が居住スペースといった物件なら、防犯の観点からも、駐車場代込みの多少高めの家賃でも、その付加価値からも入居者が見込めるでしょう。

 

3.敷地・共用部の管理・室内の設備投資

築年数が経過しても安定した賃貸経営を続けるには、入居者がその家賃を払ってもよいと思える建物の供給や入居者サービスがカギとなります。

 

とはいえ、賃貸経営では、その時々の価値観や市場環境の変化によって入居者のニーズも変化していきます。

最近は無料インターネット(Wi-Fi)やエアコン完備などの物件も見るようになりました。

 

筆者も最近、築古のマンションへ転居しましたが、その違いにショックを受けました。

例えば、キッチンの蛇口ひとつにしても、転居前はレバー水栓タイプだったものが昔ながらの手でひねるタイプで、調理中など水が出しにくく感じます。

洗面台も伸びるシャワータイプから、現在の物件では固定されていて排水溝に向かって真下に水が出る蛇口になり洗面台でのシャンプーがやりにくいなど、毎日使うものだけにストレスを強く受けます。

こんな些細なことで?と思われるかもしれませんができることなら2年の契約更新前には、もっと使い勝手の良い賃貸に引っ越したいと考えています。

長く住みたいと思える居心地の良い物件には、その時代に応じた設備投資も必要ですね。

 

 

3-1. 建物以外の敷地/共用部の清掃・設備点検・補修

入居率低下の要因として、常に「物件や設備が古くなった」ことが上げられます。

ただ、もっと大きい要因は、「入居者へのニーズに対応できていない」という点を理解しましょう。

 

多くの人はきれいな生活環境を好みます。

建物の周りにゴミが散らかっている、建物の汚れが目立つ、周りの樹木が枯れているなどの物件は、内覧に来るまでもなく、選択肢から外されます。

日ごろから清掃や修繕を心掛け、美観の維持も必須です。

 

また、機械設備が壊れた時や困りごとが起きた時、入居者は管理人や管理会社に連絡や相談をしますが、すぐに対応しなかったり、不誠実な対応だった場合は不満が積もり、引っ越しの原因になります。

 

つまり、物件を建てた後、しっかりした管理と機能の維持しつつ、大規模修繕など設備投資もしていくことが、空室回避のためにとても重要になります。

 

4.まとめ

当初予定していた事業計画どおりの安定した賃貸経営をするためには、設定された家賃を支払ってもよいと思える物件作りや設備投資、入居者サービスがとても重要なポイントとなります。

 

賃貸経営が長期になる中、変わっていく時代の動向や入居者のニーズをしっかり掴み、適正な賃貸経営のためにも実績とノウハウを蓄積・保有している専門家から常に情報を得るようにすることをおすすめします。



<執筆者プロフィール>

株式会社オフィスヤザワ 矢澤理惠

マイアドバイザー®

平成19年に郵便局を退職し、独立系ファイナンシャルプランナーに転身。知らないと損をする、知っていることの大切さをお伝えするべく活動中。

現在は、相続や、ライフプランニング相談、確定拠出年金などのアドバイスの他、東京・横浜などでマネーセミナーを開催。その他、趣味が高じてカーパーツのショップをオープンし、サーキットイベントなどに携わっています。

 

【保有資格】

CFP®認定者



<監修者プロフィール>

株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘

マイアドバイザー®
Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFP®/マイアドバイザー®として活動している。
NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。


【保有資格】
・CFP®・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)