サステナブログ

ROOFLAG賃貸住宅未来展示場特別企画ー中編ー

「未来の社会と住宅はどんなカタチをしているの?」

6月2日、ROOFLAG(ルーフラッグ)賃貸住宅未来展示場において、当社代表取締役社長の小林と横浜市立南高等学校・附属中学校の生徒・教員の方々による座談会「未来の社会と住宅はどんなカタチをしているの?」を開催しました!

前編・中編・後篇の全3回にわたってお送りする座談会レポート。
中編となる今回は、生徒のみなさんから寄せられたユニークな質問に、小林が回答する様子をお伝えします!

なお前編では、生徒のみなさんが建築模型に込めた「理想の住宅」についての意見交換の模様をご紹介しています。

大東建託がSDGs・サステナビリティ推進に取り組み始めた理由は何ですか?

大東建託 代表取締役社長 小林克満
大東建託 代表取締役社長 小林克満

【社長 小林】
大東建託がSDGsに力を入れ始めたきっかけとして、私の個人的な経験と、企業の背景の2つの観点があります。

最近は、何か物を買ったりするときに、単にデザインがいいとか性能が優れてるという事だけではなく、そのものが環境にどういう影響を及ぼすのか、作っている会社、販売している会社がどういう取り組みをしているのか、そういったころまで見て、考えて物を選ぶ時代になったと思っています。

その中で個人的にも、購買に対する行動が変わってきたという実感があり、当社をそういう考えを持つ方々から選んでいただける会社にしていかなければいけないという思いがあった、というのが1つ目の理由です。
もう1つは企業の背景です。
大東建託は賃貸住宅を作っている会社で、120万戸を超える賃貸住宅の管理・運営しており、そこには200万人を超える人が住んでいます。

つまり、一つの政令指定都市の人口と同等規模の人々を、私たちが支えているという事になります。そこにはSDGsだけではなく、私たちが社会に対して果たさなければいけない責任や課題があると考えています。

これまでもCSR※1 やCSV※2 に取り組んできましたが、SDGsという切り口ができ、そこで私たちには何ができるんだろう、と改めて問い直すことが企業として重要だと思ったのです。

当社グループでは、まだマテリアリティ(重要課題)を特定して始動したばかりですが、社会変化や社会課題を機会と捉え、企業活動を通じて社会に対し価値を提供していかないと、これから企業として成長できないですし、みなさんから支持される企業になることは難しいだろうと思っています。そうした中で少しずつですが着実に色々なことに取り組めるようになってきたと思っています。

※1 Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)の略。企業が組織的活動を行うにあたって担う社会的な責任
※2 Creating Shared Value(共通価値の創造)の略。自社の強みを用いて社会課題の解決を目指す考え方

永久不滅の建物を建てることはできないの?

「建物は作ったら壊す、が前提なのでしょうか?例えば永久不滅の建物を建てることはできないのですか?」という質問をいただいています。質問した石川さん、どんな背景があってこれを聞いてみようと思ったのでしょうか?

横浜市立横浜南高校附属中学3年 石川さん
横浜市立横浜南高校附属中学3年 石川さん

【石川さん】
私は読書が好きで、特に赤毛のアンシリーズが好きなのですが、家に関する題名の本がシリーズでたくさん出ています。読んでいると、物語に登場する家には、誰かが住んで、その後また誰かが住んで、というように家を壊さずに住む人が変わり続けるんです。

物語のように家を壊さずに住み続けることができれば、資源の節約にもなって、もっといい社会につながるのではないかと思い、この質問をしました。

賃貸住宅にも通ずる質問ですが、小林社長いかがでしょうか。

【社長 小林】
まず、永久不滅という言葉に感銘を受けました。
モノとしてはハードルが高いですよね。
しかし永久不滅でなくても、長く使える、長くもつ建物は社会にとって必要だと思っています。また家だけでなく、メンテナンスをしながら長く使っていくことができれば、環境に優しい社会になっていくと思います。

それともう一つは、例えば30年前と現代のライフスタイルを比べると、大きく変化していますよね。その変化に合わせ、可変性・対応性がある方が、実は暮らしやすいかもしれません。

現代の生活や、暮らしの進化に合わせて対応できる建物であったり、住まいがいいと思います。日本の住宅性能はどんどん上がってきているので、今後も今まで以上に長く使えるような住宅が出てくると思います。

建物を建てる際、自然環境との調和をとるためにしている工夫は?

建物を建てる際、自然環境との調和をとるための工夫などがあれば教えてください」という質問をいただきました。質問した原さん、どうしてこれを聞いてみようと思ったのでしょうか?

横浜市立横浜南高校附属中学校3年 原さん
横浜市立横浜南高校附属中学校3年 原さん

【原さん】
私は、家族と公園に行ったりすることが多く、祖父母の家も自然豊かなところにあるので、自然に触れる機会がとても多くあります。

しかし今住んでいる場所は住宅地で自然が少ないので、建物を建てるうえで、自然の取り入れ方や、既存の自然との調和など、どういう工夫をされているのかお伺いしたいと思いました。

【社長 小林】
自然との調和を取り入れるための工夫は2点あります。一つは、建築する際に、建築の中で自然をどう取り入れるかということ。もう一つは、建築前、建築中、建築後、それぞれの工程で、環境調和・環境保全をしながら運営できるかということです。

自然を取り入れるという点については、例えばお客様から「庭に昔から大切にしている木があるので切らずに生かしてほしい」という相談があれば、移設して植えなおし、敷地内のシンボルツリーとして残す、といった工夫をしています。また今は、断熱性能を向上させ、室内の温熱環境を一定に保つ住宅を作ろうという動きもありますが、中には、そういった機械的なことだけではなく、自然の熱環境を取り入れた生活を実現する住環境もあります。住宅の中で自然とどう調和していくのか、ということは重要なテーマだと思っています。

また、当社が建てる家は80%以上が木造住宅ですが、ハウスメーカーとして、建設に使用する木は計画植林をしている場所で伐採された木を使用しています。建物を建てる際も、ごみの処理が少ない工法を採用したり、排出されたごみは再生できるような工夫をしたり、住まう人が省エネできるような、環境に優しい住空間を備えた住宅を造るということに配慮しています。

最近では、LCCM(ライフ・サイクル・カーボンマイナス)賃貸住宅というものも誕生しています。これは、建設時・居住時・解体時においてCO2の削減に取り組み、さらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、建設から解体までの建物の一生(ライフサイクル)を通じてCO2排出量をマイナスにするという脱炭素住宅です。大東建託は、国内で初めてLCCM賃貸住宅を完成させました。こうした環境に優しい住宅を増やしていくことで、環境負荷の低減に貢献すべく、現在も挑戦を続けています。

LCCM賃貸住宅 イメージ LCCM賃貸住宅 イメージ

ちなみに、自然との調和と言われたとき、田中さんはどんなことをイメージしますか?

横浜市立横浜南附属中学3年 田中さん
横浜市立横浜南附属中学3年 田中さん

【田中さん】
緑がいっぱいあるというのもそうですが、周りの緑とどれだけ調和できるかが大事だと思います。

例えば、周りに緑がいっぱいある中で、急に四角い家が現れると調和しているとは言えないと思うので、曲線を使うなど、緑を壊さないようなデザインの住宅を造ることが、自然との調和に近づいていくのではないかと思います。
【社長 小林】
では皆さん、都会に住むのと田舎に住むのはどちらがいいですか? 都会の便利さがなくても、田舎に住みたいと思う人はいますか?

(6名が挙手)

そうなんですね、意外です。

安住さんは手を挙げていませんでしたが、都会派ですか?

横浜市立横浜南高校附属中学校3年 安住さん
横浜市立横浜南高校附属中学校3年 安住さん

【安住さん】
私はどちらかというと都会派で。
都会の中で見いだせるコミュニティというものに興味がありますし、やはり利便性をとってしまいますね。
後編へ続く

ユニークな質問から、社会課題に対する素朴な疑問まで、様々な質問が寄せられました。また、生徒のみなさんの住まいに対する考えもお聞かせいただきました。

最終回となる次回の後編では、小林よりサステナブルな建築事例の紹介をさせていただき、最後に皆さんから、今回の座談会の感想をお話しいただいています。是非お楽しみに!

関連記事・おすすめ記事

PAGE TOP