「盗難自転車探索サービス」の試行運用を実施!

自転車盗難対策をDX!万が一の盗難後もスマホで自転車を探せるサービスを社内検証

技術・サービス

 大東建託は、2024年2月から3月にかけて「盗難自転車探索サービス」の試行運用を実施しました。
本サービスは、自転車に装着する紛失防止タグと専用アプリを連携することで、自転車の位置や移動経路を追跡し、盗難自転車を探すことを目的としています。
この記事では、盗難自転車探索サービスの事業化への取り組みについて詳しくご紹介します。

サービス開発の経緯

 大東建託グループでは、2023年5月に賃貸住宅居住者を対象に「自転車盗難に関する市場調査」のアンケートを実施しました。その結果、自転車を所有している方の76%が、屋外駐輪場での自転車盗難について不安を抱いていることが分かりました。

 警察庁の「令和4年の刑法犯に関する統計資料」によると、2022年の自転車盗の認知件数は全国で128,883件でした。これは、およそ4分に1件のペースで自転車が盗まれる被害が報告されていることになります。
また、盗難の発生場所で最も多かったのは「共同住宅」でした。

 そして、被害車両の36.3%が施錠されていたにも関わらず被害に遭っています。これを共同住宅に限定するとその割合が42.2%に上昇することが分かりました。
つまり、アンケート結果から見えた賃貸住宅居住者が抱える自転車盗難への不安は現実に即したものでした。

 自転車所有者は、こうした不安を解消するため防犯対策を行っていますが、実際には自転車盗難が発生している現実があります。自転車盗難が発生した後、取るべき手続きは2つあります。

 まず、警察に盗難届を出し、自転車を探してもらうことです。ただし、自転車の発見連絡を受けるまでの期間は個々のケースにより異なり、場合によっては自転車が見つからないこともあります。次に、保険会社に保険金の申請を出し、保険金を受け取ることです。ただし、この場合は事前に保険に加入していることが前提となります。保険金の受け取りは申請が受理されてから30日以内を目安としています。

 これらの手続きを終えると、申請先からの連絡を待つ状況になります。警察からの連絡のタイミングは予測できず、保険会社からの連絡も通常1ヶ月ほどかかることがあります。自転車が日常生活の一部となっている中で、急に自転車のない生活を強いられた場合、自転車のない生活をどの程度続けられるでしょうか。

 こうした課題をいかに解決するか当社内で協議し、自分自身で自転車を追跡できるサービスを企画しました。
そして、サービスへの興味の有無をアンケートで調査した結果、男女問わず全世代で関心が高いことが分かりました。

 そこで、大東建託グループは本サービスの実現を目指して、紛失防止タグを活用し、様々なソリューションを展開している「MAMORIO株式会社※」と協業し、盗まれた自転車を自分自身で追跡できる『盗難自転車探索サービス』を共同開発し、 2024年2月にサービスの事業化を目指した試行運用を開始しました。

※MAMORIOは「なくすを、なくす」をミッションに掲げるスタートアップで、紛失防止デバイス「MAMORIO」を開発し、モノが無くならない世界の実現を目指しています。今回、紛失防止サービスを盗難自転車探索のソリューションとして提供しています。

盗難自転車探索サービスとは

 自転車に装着できる紛失防止タグと専用アプリがインストールされたスマートフォンを連携し、自転車の位置を特定するサービスです。本サービスは、約30万人(2023年4月時点)のMAMORIOユーザーとも連携してモニタリングできるという特徴を持っています。

 約30万人のMAMORIOユーザーと当社が抱える入居者様のネットワークを組み合わせることで、自転車も含めた紛失物を追跡できる環境が構築できます。このサービスは、暮らしに役立つプラットフォーム『ruum』※を通じて、入居者様や、近隣にお住まいの皆様にご紹介できるよう進めてまいります。

紛失防止タグ

 紛失防止タグは、世界最小・最薄クラスの大きさで、簡単に、目立たないよう自電車に取り付けられるよう設計されています。専用アプリがインストールされたスマートフォンと紛失防止タグをBluetoothで接続することができ、スマートフォンを経由して紛失防止タグの位置情報をサーバーにアップロードすることで、自転車の位置追跡が可能となります。
GPSタグやBeaconタグを使用したサービスに比べて、安価に利用できることが特徴です。

専用アプリ機能一覧

専用アプリが提供する機能は以下の3つです。
ユーザーは用途に合わせて機能を使い分けることで、自転車探索を効率化します。




サービス検証

検証1.実地検証

盗難自転車探索サービスを使用して、紛失防止タグが装着された自転車を探し出せるかを実地検証し、その様子を動画で公開します。
<検証内容>
下図はいい部屋ネットの地図検索の結果を示す地図です。地図上のピンは、大東建託リーシング直営店とフランチャイズ店が取り扱う募集中の建物の位置を表しています。この地図上のいずれかの建物に自転車を隠し、盗難自転車探索サービスを使用して自転車を見つけることができるのかを試しました。
※図は2024年3月時点の情報です




検証2.試行運用

<目的>
盗難自転車探索サービスの事業化を判断するため、社内公募によってテスターを募集し、サービスの利用検証を実施。

<試行期間>
2024年2月~3月

<規模>
社内テスター 30名

<評価方法>
社内公募テスターは、主にサービスの使い勝手などの評価を実施。
DX推進部は、主に製品の性能や品質を評価を実施。

<評価結果>

①このサービスを利用することで、自転車の置き忘れ場所や盗難時の探索が可能だと思いますか?

②このサービスを今後も使ってみたいと思いますか?

②で使いたいと回答したテスターの声
      
  • とても便利だと思う。盗難されて警察に行っても見つかる可能性はほぼないので当てにならないから、自分で探せるサービスがあるなら是非使いたいと思います。
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  • 子供の頃、自転車盗難にあったことがあります。少年が帰宅するのに乗っていたと目撃情報があり、乗り捨ててありました。探せるサービスがあれば、回収が早く済んだと思います。
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  • 自転車購入時にお店で盗難登録していますが、盗難されても見つかるまで連絡がこないため。
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  • 鍵だけでは不安なため。
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  • 無くなってしまえばもうどこに行ったかは探しようがないので、個人ではどうにもなりません。なので、頼れるものがひとつでもあれば助かると思います。
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今後の計画

 今後は、試行運用の結果をもとに事業化の判断を行います。その後、試行運用で発生した課題を改善しつつ、事業計画をブラッシュアップし、販売価格の設定や販売経路の決定、量産体制の構築などを進めていきます。いち早く入居者様にお届けできるよう、2024年度の販売を目指します。

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