不動産業界が注目するAI技術による家賃審査の新たなトレンド

大東建託パートナーズの『審査AIシステム』が2023年3月より運用開始

技術・サービス

賃貸建物の管理を行う大東建託パートナーズでは、社員の家賃審査業務の削減と、オーナー様の安心・安定した賃貸経営のサポートを目的として、2017年から家賃審査業務にAIを活用したシステムの開発に着手しました。2018年には東京大学との共同開発により、独自の家賃査定モデルを構築し、2023年3月より『審査AIシステム』を本格導入しました。​

『審査AIシステム』はスマサテ株式会社と共同開発を行い、大東建託グループで蓄積した家賃審査業務のノウハウをつめこんだ独自のAI賃料査定システムです。家賃審査の対象となる賃貸建物の物件情報データとその他不動産のデータをAIにより活用し、誰でも、簡単・スピーディーに家賃審査業務を実施することができます。​


システム開発の背景

従来の家賃審査システムでは、類似物件の情報収集とその登録作業が必要であり、システムへ審査条件を手動で設定していた為、​適性家賃を導き出すのに多くの時間を要していました。

また、不動産に関する知識に加え、審査対象となる物件や地域の特性を把握していなければ審査条件を設定できないため、家賃審査業務は知識や経験の少ない社員が行うには難しい業務でした。​​

しかしながら、空室の削減や新規物件の供給を戦略的に行う上で、家賃審査は入居率に大きく影響する非常に重要な業務であり、オーナー様の安心・安定した賃貸経営を実現に向け、より正確で効率的に進める必要があったことから『審査AIシステム』の開発に着手しました。

システム導入の効果

大東建託パートナーズが管理する賃貸物件の情報とその他不動産のビッグデータを活用した家賃審査が可能となったため、知識や経験の少ない社員でも簡単かつスピーディーに適正家賃を算出することが​できるようになり、従来よりさらに安定した業務へと進化しました。​

さらに、AIによって客観的に導きだされた結果であることから、オーナー様へご説明するための家賃査定資料がより根拠のあるものとなりました。

【AIによる家賃算出のステップ】

【『審査AIシステム』で作成された査定結果報告書】

大東建託パートナーズが採用したAIサービス「スマサテ」とは?(スマサテ社インタビュー)

Q.AIサービスの「スマサテ」の開発の経緯について教えてください。

A.1,500万室の賃貸物件があると言われている国内賃貸市場において、適正な家賃設定は賃貸ビジネスの要となります。
設定家賃が高すぎると空室に、安すぎればオーナー様の収入減に直結します。そこで、適切な家賃設定で入居の機会損失を最小化することが家賃審査の最大のカギとなります。
しかし、熟練者でも家賃設定は難しいのが現状で、オーナー様や関係者に説明する際の資料づくりは、データ量と個々の経験により、手作業で実施しており、多くの時間が割かれてしました。
このように家賃査定業務は難解で面倒な作業だったため、一般的な不動産業界では勘と経験に頼った査定判断となっており、根拠の説明が省かれる事も多く、オーナー様の不利益に直結していました。
これらの問題を解決させるために「スマサテ」を開発し、AIによる適正賃料の算出と資料作成を瞬時に行う事を可能としました。
この「スマサテ」を完成させるにあたり、
 ・100回を超えるインタビュー
 ・20億件を超える不動産データ
 ・世界最高水準の精度を誇るAIアルゴリズム
 ・1ピクセル(画像サイズ)のこだわりで使いやすさ(UX)を追求
 ・最速の改善と愚直に続けるアップデート
を実施した結果、大手不動産企業との契約も続々始まり、大東建託パートナーズとの共同開発を実施することとなりました。


スマサテ概要


会社名 :スマサテ株式会社
代表者 :代表取締役 山岸 延好
本社 :東京都品川区上大崎2-12-1 野田ビル8F
設立 :2015年7月
資本金 :1,000万円
事業内容:AI賃料査定システム スマサテの開発・提供 エリア紹介ガイド作成ツール タウンナビの開発・提供
URL :https://sumasate.jp/

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