国際女性デーに“災害に対する備えを女性視点から”をテーマにオンラインイベントを開催!

災害への備えの重要性と女性も活躍することの大切さを学ぶ

サステナビリティ

大東建託グループ社員を対象に、『防災×女性目線』をテーマにしたオンラインセミナーを3月8日に開催しました。この取り組みは、大東建託の本社に所属する女性の有志メンバーから成るプロジェクト「いろどりLAB(ラボ)」が主体となり、「女性の生き方を考える日」である国際女性デーに合わせて社内の女性の活躍推進を促すイベントとして企画しました。今回はいろどりLABが主催したこのイベントの内容をご紹介します!

初開催となったいろどりLABトークイベント

イベント開催の背景

近年自然災害の激甚化・頻発化に伴い、全国の自治体において地域防災力強化に向けた取り組みが進められています。当社グループでも、賃貸住宅における防災意識向上を目的とした防災プロジェクト「防災と暮らし研究室『ぼ・く・ラボ』」を設立し、地域コミュニケーションの機会創出や、災害配慮型の賃貸住宅商品・サービスなどの開発を行い、防災を通じた活動を積極的に推進してきました。そんな中で、いろどりLABのメンバーから「防災も女性目線が足りていない」という声があがったことをきっかけに、『防災×女性目線』に焦点を当てたイベントを企画することになりました。

<防災の知識を得て災害発生時に備える><忘れがちな女性特有の用品を備える><女性活躍の必要性や重要性を考える>の3つをゴールに、防災において女性視点が必要な理由や、事前に社員から寄せられた災害への不安に回答していく内容でプログラムを作成。性別問わず誰でも参加できるイベントとして、社内に広く呼びかけ、従業員が気軽に参加しやすい昼休憩の時間帯に実施しました。


いざイベント!

当日は、講師をいろどりLABのメンバーであり、「防災士」の資格を持つ浅野 美夏(あさの みか)さん、ダイバーシティ視点のコメンテーターを宮崎 緑(みやざき みどり)さん、進行を小森 亜季(こもり あき)さんが務め、参加者と同じように浅野さんの講義を受けるような内容としました。

防災にテーマを絞って調査していく中でまず驚いたのが、自治体の防災担当部署に女性職員が1人もいない市区町村の割合が多いことです。
また、今年1月1日に発生した能登半島地震も含め、避難所などに着替えや授乳のスペースが確保されていなかったり、「ナプキンより食糧が大事」「1日1個で足りる」「男にも何か配ってくれないと不平等」といった女性特有の問題に対する理解・知識不足による発言がメディアでも取り上げられています。
イベントでは、これらの事実を通して、“女性の視点を取り入れた災害対策”が喫緊の課題であることを実感できるよう伝えていきました。

また、事前アンケートからは、「家族に対する不安」「未経験のものに対する不安」「環境への不安」などさまざまな不安が見えてきました。特に「慣れない土地で頼れる人もいない」という不安は、全国に支店・営業所があり、転勤で馴染みのない土地で生活する可能性のある当社グループならではの不安です。

<事前アンケートから見えてきた女性社員の「リアルな声」>
・勤務中に被災した場合家族とすぐに連絡が取れるのか
・遠くに住む高齢の家族と連絡が取れるのか心配
・災害に実際にあったとき、具体的にどのような行動をすればよいのかわからない
・慣れない土地で頼れる人もいないので不安
・避難所で個人スペース、プライバシーを確保できるのか不安

このような不安に関して、浅野さんからは、事前に連絡を取り合う方法を決めておくことや、備えのチェックリストを作成しておくこと、情報収集に便利なウェブサイト・SNS・アプリの紹介など、さまざまなアイデアや情報が紹介されました。

さらにイベントでは、女性活躍に関する社会状況についても紹介しました。世界各国を<政治><経済><教育><健康>の4つの分野における男女格差を数値化する「ジェンダーギャップ指数※」によると、日本は146ヵ国中125位という結果で、主要先進国のなかでも最下位に位置しています。特に政治分野と経済分野において、世界と比べても男女間に大きな格差があると指摘されています。
 ※男女間の経済的・政治的・教育的な平等の程度を測るための指標。各指標は男女間の格差を示し、指数全体の値は0から1の間で表される。1に近づくほど男女平等が高いことを意味し、0に近づくほど男女格差が大きいことを示している。

政治や経済分野と言われると、「自分には関係ない」と考えてしまいがちですが、実は私たちの日常生活に大きく影響してきます。例えば、災害が発生した場合、避難所の環境や支援物資に不便が生じることがあります。このような事実があることを知り、女性が積極的に社会や会社で発言し、意見を主張し、キャリアを築くというアクションに繋げることや、多様な能力や個性を持つ人々だけでなく、異なる考えや価値観を持つ人々を意思決定の場に増やすことの重要性や必要性についても理解することが重要です。

今回のイベントを通して、参加者の皆さんには、「特定の視点に偏ることのリスク」への気づきや、「女性自身が自分で備える必要性」について考えるきっかけにして貰えたらと思っています。

女性視点の重要性を広める、いろどりLABの活動

“女性活躍”というワードのみが前面に出てしまうと身構えてしまう方もいるので、参加してくれる人は果たしているのだろうか?という不安を抱えての開催でしたが、幸いにも性別問わず多くの方が参加してくれ、「防災を女性目線で考えてみるのは新鮮だった」「新たな目線で防災について学べた」という声をいただくことができました。
また、本イベントでは、3月が女性史月間であることを踏まえ、3月中のみ利用可能なバーチャル背景を配布し、グループ全体で女性活躍について考えるきっかけを作る試みも行っています。

女性史月間に合わせて配布されているバーチャル背景

今回のイベントを主催した「いろどりLAB」では、「ずっとここで。十人十色を活かせる企業に。」をスローガンに2019年より活動をしています。今年度は新たメンバーを加え、「いきいきと長く働ける、働き続けられる環境」を作ることに力を注いできました。

<活動実績> 
・不妊治療休暇、マタニティー休暇、看護休暇を含む「家族休暇」制度の導入
・「子の看護休暇」「育児短時間勤務」制度の利用期間延長(中学校卒業まで)などの既存制度の拡充
・女性限定コミュニティチャネルの開設、運営
今後は、それぞれの働き方やキャリアを実現することにも力を入れていきたいと考えています。今回好評だったオンラインイベントも活かしながら、防災に限らず、さまざまなテーマで第2回、第3回と展開していくことを検討しています。参加者の意見や要望にも耳を傾けながら、より多様な内容を提供し、全ての従業員が自身の目標やキャリアを追求できる支援をしていきたいと思っています。

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