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【2025年度】人材育成の経過 ~主体的にDXを推進する社員が現場から誕生~
技術・サービス
大東建託グループは、「環境適応業」として、皆さまの暮らしを支える企業であり続けるため、急速な社会変化に対応するだけでなく、自ら新しい価値を生み出していく「DX人材の育成」が重要だと考えています。
単なるデジタルスキルの習得にとどまらず、社員一人ひとりが現場の課題を見つけ出し、デジタルを使って解決に向けて行動できるようになること——それが私たちの目指すDXです。
この考えのもと、2021年度よりDX社内認定制度の導入やeラーニング、DXワークショップなど、多角的な取り組みを進めてきました。その積み重ねがいま、確かな成果となって表れています。
1.「DAITO DX Award」の開催 -初開催で見えた全社的な熱意の高まり -
DX Award ポスター
2025年、社内DX人材の育成を促進し、大東建託グループDXのさらなる活性化を目的に、社内生成AIツール「DK Chat powered by ChatGPT」(以下、DK Chat)を活用した生成AIコンテスト「DAITO DX Award」を開催しました。
このコンテストは、社内DX資格の取得を参加条件として、ビジネスモデル変革や業務改革アイデアを募集し、グループ全体で 234件もの応募がありました。
これまでDXに触れる機会が少なかった社員も含め、多くの人が「自分ならどんなDXができるか」を考えるきっかけとなり、全社的な盛り上がりを見せました。
8月4日には最終審査会を実施し、その中で11組16名が役員の前でプレゼンテーションを行いました。大盛況のうちに終わり、参加者を対象としたアンケートでも次回開催への期待が寄せられています。
発表の様子
グランプリを獲得した大東コーポレートサービス サポート事業部 左から 楢木さん、竹内さん、塩塚さん
想定よりもはるかに多い相談が寄せられ、全社的にDXへの関心や興味が高まっていることを実感しました。
アイデアは担当業務の改善から全社を巻き込むビジネスモデル変革まで幅広く寄せられ、社員の自主・自律的なDXを促す良い機会となりました。
大東建託 DX Award事務局メンバー
2.社内DX認定制度 -広がる裾野と専門人材の誕生 -
この制度を通じて、この1年半でDX BeginnerやDX Bronze取得者はそれぞれ2,000名に迫る勢いで急伸し、DX SilverやDX Goldまで幅広く人材育成が進んでいます。
多くの社員が日常業務でデジタルツールを活用する段階に達しただけでなく、現場の課題を自ら解決に導くことができる人材、さらには会社全体のDXを推進できるレベルの人材まで育成が図られています。
2025年4月時点での各ランクの取得者数 ※複数資格保持者は上位資格のみに加算
この取り組みによって、ITスキルがあまり高くなかった社員も「DK Chat」を利用して業務を効率化しています。
隈部さん:
もともとは業務で「DK Chat」を活用したいと考えて研修を受けました。研修ではDXにはデータ活用が重要であると学び、現場でも活用できないかと考えるきっかけとなりました。
この経験から、現場社員がDXを理解することはグループ全社のDX推進につながると考え、熊本支店では全員がDX Beginnerを取得することを目標としました。
大東建託 熊本支店 支店長 隈部さん
3.市民開発 -現場からの自発的な取り組み-
自分の担当業務を効率化するアプリの自作、部門業務を大幅に削減する自動化・無人化フローの作成など、現場でのDXが積み上がり、全社的な成果につながっています。
現在稼働中のアプリの中で最も効果の大きなものはなんと一つで年間1,270万円以上の人件費削減効果を生み出しています。
※Power Automat:Microsoft社が提供する、繰り返し作業やアプリ間のデータ連携を自動化できるツール
※Power BI:Microsoft社が提供する、さまざまなデータを視覚化し、わかりやすいレポートやダッシュボードを作成できるツール
Power Automateはフロー図が分かりやすく、エラー修正や試行錯誤もしやすかったです。完成したアプリで業務が自動化され、精度と効率が大きく向上しました。
4.上級資格DX Goldの取得 -現場でDXをリードする存在-
彼らは現場に根差しながら、業務改善を超えて事業そのものを変革するプロジェクトを牽引しています。
DX推進部はその活動を支援し、また、情報システム部によるシステム開発や市民開発の支援を通じて、業務改革を後押ししています。
安全品質管理部の上村さんは、支店所属時には現場監督として従事しており、DX Goldを取得後はご自身の経験と研修で得た知識を活かして現場DXを進めています。
上村さん:
DX Gold研修では、現場監督として行ってきた業務を言語化することで、人が担うべき部分とAIで支援できる部分を整理することができました。
業務を細分化する難しさや大変さもありましたが、それが大きな気づきにつながり、効率化や改善の可能性を見出す有意義な経験となりました。
現在は、現場業務を効率化するタスク管理ソリューションの開発に取り組んでおり、膨大な情報を扱う中で現場監督の業務の重さを改めて感じています。
大東建託 安全品質管理部 上村さん
岡村さんは、業務の自動化に幅広く取り組んでいるほかに、データ活用による営業力の強化を図っており、その実現に向けて環境整備を進めています。
岡村さん:
DX Gold研修は単なる座学ではなく、実データの分析や経営層への提言まで含む実践的な内容でした。
研修後は、法人契約の一部自動化と当社管理物件以外の契約書類のリーガルチェック自動化アプリ開発に挑戦する機会をいただき、現在も進行中です。
本業においては顧客アンケートの集計・分析も自動化して作業時間を大幅に削減、意思決定の迅速化に繋げました。
大東建託リーシング 教育企画課 岡村さん
5.現場から自発的な挑戦ができるDX人材の育成を継続
生成AIコンテストや認定制度、市民開発などを通じて、現場から自発的な業務変革が生まれ、確かな成果が積み重ねられています。
DX推進部は、今後もこうした動きをさらに広げ、大東建託グループ全社員が自主・自律的に挑戦できる環境の整備を進めていきます。そして、DXを特別な活動ではなく日常業務の一部として定着させることで、社員一人ひとりが自らデジタル変革を実践する企業文化の醸成を目指してまいります。

