大東建託

環境への取り組み

大東建託グループ様 環境報告書2020 第三者レビュー

MS&ADインターリスク総研 フェロー 原口 真

評価する部分

  • もっとも重要な環境課題として、気候危機を設定し、関連する国内外のイニシアティブへ率先して参加されていることを評価いたします。そして、こうしたイニシアティブが求める科学的な根拠に基づく目標設定や情報開示に取り組まれています。とくに、1.5℃水準のSBT認定とTCFDの方針によるシナリオ分析の開示は注目されます。SBTにのっとった削減活動が、シナリオ分析が示す移行リスクによる財務影響を最小化することを明らかにしています。
  • 日本最大の賃貸住宅を管理する企業として、国産木材を積極的にすることは、日本の持続可能な森林管理への好影響と脱炭素の効果は大きいと考えます。

今後期待する部分

  • 環境トップランナー企業として、脱炭素社会の実現を目指すイニシアティブへの参加を業界内や取引先にも促していくことを期待します。
  • 気候危機を財務に影響するリスクと位置付けていますので、「環境経営プロジェクト委員会」から「コンプライアンス推進会議」または取締役会に情報を共有し、リスクマネジメントに統合するガバナンスが求められます。
  • SCOPE3の削減目標の向上のために、ZEH化の推進とともに、国際水準の断熱性能の追求を期待いたします。また、激甚化する気象災害へのレジリエンスを向上させるために土地オーナーへの企画・提案段階から水災リスクを周知することが重要となります。これにより居住者にさらに安心・快適な住まいを提供できると考えます。
  • 土地が重要な経営資源という考えに立ち、オーナーが保有する土地において地域の重要なみどりや生物多様性の有無を確認されることを期待いたします。発見された場合にそれを回避し自然と共生する工法等を開発することが新たなビジネス機会につながると考えます。