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土地活用で商業施設を選ぶメリットは?向いている土地の特徴

公開日: 2023.12.07

最終更新日: 2023.12.07

商業施設とは商品やサービスの販売・提供を目的とした施設であり、一般的には複数の店舗が入居する建物を指します。

賃料を高めに設定でき、長期的な収益が期待できることから、人気のある土地活用法の一つです。

ただし、商業施設が向いている土地とそうでない土地があるので、成功するためには土地の見極めや事前調査が大切なポイントになります。

そこで本記事では土地活用で商業施設を選ぶメリットや向いている土地について解説します。

 

>>関連記事:「土地活用の方法16選|運用を行うメリットや実際の進め方

1.商業施設の土地活用が向いている土地の特徴

はじめに商業施設が向いているのはどんな土地なのか、特徴を解説します。

1-1.人通りが多い土地


人通りが多い土地の場合、建物が人の目に止まりやすいので、多くの集客が見込めます。

たとえば繁華街のように住むには賑やかすぎる場所であっても、商業施設としては好印象を与えられるでしょう。

また、駅の近くなども人通りが多いので、有力な選択肢に入ります。

ただし、便利な場所ほど地価が高額なケースが多いので、初期費用や維持管理費、税金などが高くなりがちな点は理解しておきましょう。

1-2.幹線道路沿いの土地


幹線道路沿いのように、道幅が広く直線が多い道路に近い土地は、商業施設と相性が良いといえます。

直線の道路は遠い位置からでも店舗が見え、宣伝効果が高くテナントから好まれる傾向にあるためです。

幹線道路沿いに商業施設を構える場合、広めの駐車場があればさらに好条件といえるでしょう。

 

1-3.近くに同じような商業施設がない土地


周囲に住宅が点在している場所であれば、潜在的なニーズが存在する可能性があります。

遠くのエリアまで買い物に行っていた人が利用してくれるようになるためです。

一方、似たような施設の近くに商業ビルやショッピングセンターを建てても、テナントや消費者の奪い合いになる可能性が高いので、近くにどのような施設があるか、どのようなテナントが入っているか、事前調査をして判断することが大切です。

 

2.土地活用で商業施設を選ぶメリット

土地活用で商業施設を選ぶ場合の具体的なメリットを2つ紹介します。

 

2-1.長期的な収益が期待できる


商業施設に入るテナントとは比較的長期の契約を結ぶことが多い傾向にあります。

長期契約を締結できれば、契約期間の途中で解約されない限り、安定して賃料収入が得られるでしょう。

後述する事業用定期借地権方式によって土地を賃貸する場合、最長50年という長期の契約を結ぶことになります。

この場合、借主が短期間で撤退する可能性が低く、長期にわたり収益が安定化することが期待できます。

 

2-2.物件管理に関する業務が少ない


商業施設はアパートやマンションなど居住用の賃貸物件と比較して管理業務が少なく、手間がかかりにくい特徴があります。

基本的にビジネスを行うテナントが、借りている場所の管理業務を担うためです。

テナント内でトラブルが起きた場合も、その企業の担当者が対応するため、オーナー自身が動くケースは稀で、問題が長期化するリスクも抑えられます。

居住用物件の賃貸経営で起こりがちな騒音トラブル、家賃滞納などに対処することも少ないでしょう。

 

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3.土地活用で商業施設を選ぶデメリット

反対に土地活用で商業施設を選ぶデメリットを2点紹介します。

 

3-1.建築費が高額になりやすい


多くの土地活用法と比較しても、商業施設の建設費用は高めです。

建物の規模が大きいことに加えて、使用される建設資材が高価な傾向にあり、こだわりのあるデザインを導入したり、高性能な設備を導入したりする場合も多いためです。
また、集客するテナントにとっては1フロアの階高を高めに設定する必要があります。

階高を高くした分、建設に必要な施工面積が大きくなり、建築にかかる費用が高めになったというケースも起こり得ます。

 

3-2.テナントの売り上げが経営状況に影響する


商業施設ではテナントの売り上げが経営状況を左右する場合があります。

特に複数の店舗を入居させる商業施設の場合、影響が大きいといえるでしょう。

売り上げ好調なテナントを複数確保していれば、安定収入が見込めますが、売り上げが不調になればテナントが退去し、空室が増加する可能性が高まります。

もしテナントの退去が続いてしまうと、ほかの店舗の利用状況も悪化するおそれがあります。

実際、空室が多く営業している店が少ないと、利用者は何となく入りづらい印象を持つでしょう。

また、シャッターが閉まっている店ばかりでは、施設そのものの魅力が低下してしまいます。

場合によってはテナント退去を防止するために、賃料を下げることも検討しなければなりません。

 

4.商業施設の土地活用に必要な資金を調達する方法

商業施設の土地活用をする場合、多くの資金が必要なので、資金調達の方法を知っておくことが大切です。

以下に資金調達の種類やポイントを解説します。

 

4-1.金融機関からの融資を得る


もっとも一般的な方法は、土地オーナーが金融機関から資金を借り入れることです。

金融機関などに申し込み、審査に通ると融資の許可がおります。

融資の審査では、土地所有者の経歴や物件の収益性、事業計画などがポイントになるので、しっかりと準備しなければなりません。

特に事業計画書は住宅ローンの審査などでは求められない書類なので、専門家の意見も取り入れつつ作成することをおすすめします。

 

>>関連記事:不動産投資で融資を活用する流れや必要な書類は?

4-2.テナントから建設協力金を得る


テナントから建設協力金を得る「リースバック方式(建設協力金方式)」を利用する方法もあります。

建設協力金とは商業施設などに出店するテナントから、建物の建築費相当額の全部または一部を受け入れ、そのテナントが希望する建物を建築して賃貸する資金調達方法です。

リースバック方式を利用すれば、オーナーは初期費用を抑えて土地活用ができます。

また、テナントが最初から決まっているため、空室リスクを低く抑えられるほか、返済完了前にテナントが途中解約した場合、返済義務がなくなる特約を付けるのが一般的なので、途中解約しても残債の支払いがない点もメリットといえるでしょう。

一方、賃料の設定によっては赤字になる可能性もあるほか、建物の設備はテナントが希望した状態になるので、退去後に新しい入居者を探すのが難しくなる点がデメリットといえます。

 

4-3.事業者に土地を貸す


事業者に土地に定期借地権を設定して、事業用に土地を貸し出す「事業用定期借地権方式」を活用するのも選択肢の一つです。

事業用定期借地権方式では、借地人が借りた土地で収益事業を行うため、借地人の地代支払い能力が高い傾向にあります。

また、事業用定期借地権は、借地人が大規模な投資を行うため、地主は長期間にわたって安定した地代収入を得られます。

さらに所有者は単純に土地を貸すだけでよく、自ら建物を建築する必要がなく負担が少ない点もメリットといえるでしょう。

ただし、事業用定期借地権の契約は、公正証書によって締結しなければならないため、作成に手間と費用がかかります。

事業用の建物を建築するため、居住用建物が建っている場合に適用できる固定資産税減税特例を受けられない点もデメリットといえるでしょう。

 

5.商業施設の土地活用を成功させるためには事前調査が大切

商業施設の土地活用を成功させるには、アパート経営やマンション経営などとは少し違った視点が求められます。

人通りや周辺の建物など立地条件の事前調査をして、商業施設として向いているかどうかを判断することが大切です。

同時に優良なテナントを見つけることも重要といえます。

集客力があり長く入居してくれそうなテナントが見つかれば、安定して長期的な収益が得られるためです。

また、テナント探しや誘致はさまざまな専門業者と協力して行うことが多いので、業者探しも大切なポイントです。

自分で調査するのは困難なケースが多いので、実績豊富な不動産会社や建築会社へ問い合わせ、アドバイスやサポートを受けることをおすすめします。

■監修者プロフィール

有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者