屋根から考える、高耐久の賃貸住宅
「軽くて丈夫」をとことん追求
屋根は建物のなかでもっとも風雨にさらされる場所。寒暖の差が大きく、台風などの激しい気象現象も多い日本で、屋根をどう強化していくかは大きな課題です。
20年ほど前、大東建託は優れた屋根材を求めて海外に目を向けました。そこで出会い採用したのが、耐久性・耐候性に優れた天然石チップを付着させた『天然石チップ溶着アルミ亜鉛メッキ鋼板』です。※
腐食に強い高耐久金属屋根材に自然石を接着した8層からなる屋根材(図1)は、さらなる耐久性を実現。軽量であるにもかかわらず、重量感のある質感はハイグレードな趣を醸し出し、様々な建物のデザインにマッチします。
2000年に施工した建物で屋根材のサンプリング調査を2015年に行ったところ、ほとんど劣化が認められず、長期的な使用に十分耐えうることが実証されました。

扱いの難しい「縦葺き屋根」に革命を
傾斜の緩い屋根には多くの場合、水はけが良い「縦葺き」という工法が用いられます。流れ方向に対して平行に屋根を葺いていきますが、課題となるのが1枚の屋根材の長さです。従来の縦葺きでは、屋根の一番高いところから軒先までを1枚でカバーするためとても長いサイズとなり様々な課題が生じました。例えば、大型トラックでなければ運搬できない、荷揚げのクレーンが必要などによるコストアップなどです。
これらの課題を解決すべく、大東建託が開発したのが、『ジョイント立平(図2)』という屋根材です。長さ2m程度の製品で簡単に搬入でき荷揚げも瓦揚げ機で揚げられます。
5%勾配で水平ジョイントを設けるのは、今までの長尺屋根材の常識ではありえない事でしたが、入念な散水試験、送風試験を経て、30年を超える耐久性能も実現。気象現象の激しさや、コスト、工期など、建物の建築に制約が増える今だからこそ、部材の様々な進化が賃貸住宅の高耐久化にもつながります。
