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アパート経営の資金計画に備えよう~アパートローン~

公開日: 2022.10.28

最終更新日: 2023.12.21

安定した賃貸事業には、資金調達段階のローン選びで差がつきます。低金利が続いている今、賃貸経営開始のチャンスだととらえる方も増えてきました。しかし、住宅ローンとは違い、アパートローンは一般的とは言えません。今回はアパート経営に必要なアパートローンの基本知識に加え、金利やローンの種類、返済方法などについて詳しく解説します。

>>関連記事:「土地活用の方法16選|運用を行うメリットや実際の進め方

この記事のポイント
  • アパートローンの審査では対象物件の収益性などが重視される
  • 金利タイプの選択においては、現時点での金利水準を確認することが大事
  • ローンの返済方法も考慮した事業計画を立てることが望ましい
  • アパートローンと一括借り上げを組み合わせれば、リスクを軽減できる
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アパートローンとは?


アパートローンも、住宅ローンと同様に、不動産を取得するために利用するローンであり、融資商品の一種です。
どちらも不動産に抵当権を付けることが一般的です。しかし、審査を行う際、双方には根本的な違いがあります。

住宅ローンでは、勤務先や年収、担保となる不動産の価値など、多岐にわたって総合的に審査が行われます。それに対してアパートローンでは、契約者を事業主として見るため、収益性、資産価値、契約者の属性(資産状況)を審査のポイントとして重視しています。
なぜかというと、それぞれの資金の使用目的と返済の財源が異なっているためです。
住宅ローンの借り入れは生活を営む住居を取得することを目的としており、自らが居住することを前提としています。そのため、取得者の収入が返済の財源だと判断されます。また団体信用生命保険に加入することが多いことも特徴です。融資期間はおおむね35年であることが多いです。
一方、アパートローンに関しては、金融機関は借入債務者の目的(資金使途)を事業用投資だと捉え、家賃収入が年間どれくらい見込めるのか、各種経費や税金を考慮したうえで、事業収入から返済することに支障がないかを審査基準にしています。
したがって、アパート経営を始めるにあたっては、より慎重に資金計画を立てて、事業計画の実現性を検討しなければなりません。

アパートローンの金利比較

アパートローンの金利タイプは大きく以下の3種類に分けられます。


アパートローンの金利のタイプ
金利のタイプ 特徴 メリット デメリット
変動金利型 金利が変動する。金利の見直しが年に2回、返済額の見直しは5年に1回行われる 他の金利タイプと比較すると金利水準が低い 金利が変動するため、返済計画の見通しが立てづらい
固定金利選択型 返済期間の一定期間のみ固定金利が適用される。固定金利期間が終了した後は、変動金利型か固定金利型を選択する 固定金利が適用されている期間中は、返済計画の見通しが立てやすい 固定金利期間終了後は、金利上昇のリスクが生じる可能性がある
全期間固定金利型 返済期間の全期間において固定金利が適用される 返済期間中の返済計画の見通しが立てやすい 他の金利タイプに比べると金利水準が高い

アパート経営の事業計画において、不確定要素は少なければ少ないほど、その計画の見通しが立てやすく実現性が高くなります。
金利については、今が極めて低い水準にあると言われています。全期間固定金利型の金利水準自体が低くなっているので、「全期間固定金利型の金利は高い」と思いこまず、現在はどれくらいの金利水準になっているのかを、改めて確認しておくことが大切です。

銀行によって金利は異なりますが、審査の基準はおおむね上述の通りです。

※借入期間の設定は銀行や信用金庫によって賃貸住宅の構造により、異なることがあります。例えばRCのマンションは35年、木造のアパートは22年と融資対象の法定耐用年数によって異なる場合があります。

アパートローンの返済方法

ローン返済には「元利均等返済」と「元金均等返済」という2種類の返済方法があります。

○元利均等返済・・・毎月の返済額が一定となる返済方法。
 当初は利息部分の返済額が多く、返済期間終了に近づくほど、元金の返済部分が多くなります。

○元金均等返済・・・元金の返済額が一定となる返済方法。
 元金の残高に対する利息がかかるため、当初の利息負担、返済額は大きくなります。
 ただし、返済総額については、元利均等返済よりも少なくなります。

元利均等返済にせよ、元金均等返済にせよ、アパートローンの返済途中、もし資金に余裕が出た場合には繰り上げ返済ができます。
繰上返済についても併せて知っておきましょう。

繰り上げ返済とは、通常の返済に加えて、元金の全額または一部を前倒しして返済することを言います。元金を減らすことにより、支払利息の軽減が期待できます。また、繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。

○期間短縮型
 毎月の返済額を変更せず、返済期間を短くする方法です。短縮した期間に支払う予定だった利息が軽減されます。

○返済額軽減型
 返済期間を変更せず、毎月の返済額を引き下げる方法です。返済期間は変わりませんが、月々のキャッシュフローに余裕が生まれます。

賃貸経営を考える場合、ローンの返済方法も盛り込んだ事業計画を立てることが望ましいでしょう。

>>関連記事:土地活用の前に知っておきたい土地にかかる税金

アパートローンを組む前に要注意!


住宅購入の場合、建物が完成するまでに中間金の支払いを求められることがあります。アパートの場合も、アパート建築工事の進行状況に応じて支払いを求められる場合があります。自己資金を準備して支払うことができる場合であれば問題はありませんが、アパートローンを利用して支払う場合には、「期中金利」への注意が必要です。「期中金利」とは、工事期間中(期中)に借りたローンにかかる利息のことを言います。まだアパートが完成していないときから負担が発生しますので、事業計画にあらかじめ盛り込んでおきましょう。

また借入金額や事業内容によっては保証人や連帯保証が必要なケースがあります。



安定したアパート経営を成功させるためには、資金計画・事業計画の段階でそのリスクを最小限に抑えるような組合せを考えることをおすすめします。例えば、35年の全期間固定金利型のアパートローンと賃貸経営の一括借り上げを合わせれば、多少金利が高くても、返済に変動がないうえ安定的に賃料が得られるので、リスクを低減させられます。このように、金融機関のみならず、不動産管理会社等も含めて条件の確認を行い、総合的に判断することが大切です。

また建物のプランと建築費、収支がわかる事業計画書のなど作成を個人で行うことは難しい場合があるので実績のある信頼できる建設会社に相談してみましょう。

>>関連記事:不動産投資で融資を活用する流れや必要な書類は?

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