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コインランドリーの経営とは?メリットやデメリット、おすすめの人

公開日: 2023.12.14

最終更新日: 2023.12.14

家庭用洗濯機では洗うのが難しい大きな布団やカーペットなどをきれいにしたくてコインランドリーを利用する人もいます。また、一人暮らしの場合、洗濯機をあえて購入せずに近くのコインランドリーを利用する方も少なくありません。

 

大型の布団やカーペットなど、自宅の洗濯機では対応しきれないアイテムや、洗濯物の量が多い場合にコインランドリーの利便性を求める人が増えています。このような実情を踏まえ、コインランドリー事業は、洗濯に関わる労力を軽減するだけでなく、土地所有者にとっても土地活用の有効な手段となります。

 

この記事では、コインランドリー経営の概要やメリット・デメリットを解説。コインランドリーを利用する消費者ニーズを理解することで、経営のヒントや土地活用の新しい視点を得ることができます。この記事を通して、コインランドリー経営があなたのビジネスやライフスタイルに適しているかを考えてみましょう。

>>関連記事:「土地活用の方法16選|運用を行うメリットや実際の進め方

1.コインランドリー経営の概要

コインランドリー経営は、住宅地域での需要が高まっているビジネスの一つです。
多様な年齢層からの利用が見込めるため、事業者や個人投資家、相続した土地を有効活用したい人の間でその人気は増しています。
この章では、コインランドリー経営の概要について紹介します。

 

1-1.コインランドリーで収益を得るには


コインランドリー経営は、洗濯機や乾燥機の使用料が主な収益源となるビジネスモデルです。
特に、家庭用洗濯機では対応が難しい羽毛布団やラグの洗濯に対する需要が高まっています。

 

また最近では、コインランドリーだけでなく、待ち時間を楽しめるカフェや有効活用できる洗車場を併設する「複合型ランドリー」も少なくありません。
これにより多角的な収益を確保する経営方法が注目されています。このようなアプローチは、リピーターの確保や新たな顧客層の獲得、さらには売上の増加に繋がるポイントとなっています。

 

1-2.土地を運用会社に貸して使用料を得るビジネスモデル


コインランドリー事業には、大きく分けて二つの運営モデルが存在します。
一つ目は、経営者が自ら洗濯機や乾燥機などの機材を購入し、日々の運営を行う方式です。

 

これには、清潔な店内環境の維持や機材のメンテナンスといった直接的な管理が伴います。この方法では初期投資額が大きくなりますが、利益の最大化とオペレーションの完全なコントロールが可能です。

 

二つ目は、土地所有者が運用会社に土地を貸し出し、その会社がコインランドリーの設置から運営までを担うパターンです。土地を提供する側は建築費や設備投資の心配をせずに、定期的な賃貸収入を得ることができます。

 

また、運営会社は新しい立地に事業を展開できるため、双方にとってメリットがあります。どちらのモデルも、地域のニーズや投資の規模、管理の手軽さによって選ばれます。

 

1-3.コインランドリーの利用が見込める土地


コインランドリー経営は、顧客の利用が見込めるような土地を所有している人におすすめのビジネスです。
特に、一人暮らしや共働きの家庭が多いエリアでは、高い需要が見込まれます

 

これは、共働きの家庭の多くが平日の忙しさのために洗濯に十分な時間を割けず、週末に洗濯物が大量に溜まる傾向があるためです。家庭用の洗濯機では処理しきれないこれらの洗濯物に対して、コインランドリーは時間と労力を節約する効率的な解決策を提供します。

 

したがって、住宅街やスーパーマーケットの近くのようなアクセスしやすい場所に土地を所有している場合、コインランドリーの経営は有益なビジネスとなるでしょう。          

 

また、ビジネス経営に興味や関心がある方にも適しています。コインランドリー経営は、単なる土地活用以上に、消耗品の仕入れや機器の管理、さらには経営ノウハウなど、事業経営の要素が強く求められるため、経営者としてのスキルや知識を活かせます。

 

2.コインランドリー経営のメリット

コインランドリー経営は、景気の影響を受けにくく、運営のコストも低く抑えられるため、最近の投資先として人気が高まっています。
さらに、利用者が途切れるリスクが低く、安定した利益を期待できる点も魅力となっています。

 

コインランドリー経営のメリットをまとめると、以下のとおりです。

 

  • ランニングコストが低い
  • 景気に左右されづらい
  • 土地の地形や条件が大きく影響しない

 

それぞれ見ていきましょう。

 

2-1.ランニングコストが低い


コインランドリー経営の大きな魅力の一つは、その低いランニングコストにあります。
セルフサービスという性質上、無人運営が可能で、人件費を大幅に削減できます。主な経費は電気や水道代、そして機械のメンテナンス費用となりますが、これらは他のビジネスモデルと比較しても非常に抑えられる範囲です。

 

特に、稼働していない時間には水道代などの費用が発生しないため、経営の利益率を高める要因となります。
このような低コストの運営は、土地活用や不動産投資の観点からも、コインランドリー経営が注目される理由の一つと言えるでしょう。

 

2-2.景気に左右されづらい


コインランドリー経営は、景気の変動に強いビジネスとして知られています。
なぜなら、洗濯は私たちの日常生活に欠かせない行為であり、景気が良くなるか悪くなるかにかかわらず、その需要は変わらないからです。特に、共働きの家庭が増える現代社会では、コインランドリーの利用ニーズはさらに高まっています。

 

この安定した需要は、経営者にとって大きなメリットとなります。一度、適切な立地で店舗を開設し、地域の顧客からの信頼を得ることができれば、長期的に安定した収益を期待できるでしょう。

しかし、立地選びは非常に重要で、集客率や競合店との位置関係などを検討する必要があります。適切な場所での経営は、コインランドリービジネスの成功に繋がります。

 

2-3.土地の地形や条件が大きく影響しない


コインランドリー経営は、土地の広さや地形に柔軟に対応できるビジネスモデルです。
機械を配置し、利用者がスムーズに行き来できるスペースが確保できれば、施設の建設は可能です。

 

また、日照時間や地形の特性による制約も少なく、狭い土地や変形した地形でも基本的に問題ありません。需要の高いエリアであれば、土地の条件にかかわらず、安定した収益を期待することができます

 

しかし、20234月に中小企業経営強化税制改正により、コインランドリーの運営を運用会社に委託する所有者に対して、以前適用されていた節税効果が除外されることとなりました。

 

以前は、コインランドリー経営において、高額な業務用の洗濯機や乾燥機、内装設備など、一定の要件を満たす設備費用を多く即時償却して計上することが可能でした。
しかし、
この改正により、運用会社に委託する経営者は税制上のメリットを再評価し、新たな経営戦略の検討が求められることとなります。

 

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3.コインランドリー経営のデメリット

コインランドリー経営には多くのメリットを持つ一方で、さまざまなデメリットや課題が伴います。
コインランドリー経営のデメリットと注意点は以下のとおりです。

 

  • 収益が伸びるまで時間がかかる
  • 他店舗と差別化しづらい
  • 経営の難易度が立地に左右されやすい
  • 初期費用がかかる

 

コインランドリー経営を始める前に、これらのデメリットを理解しておくことが大切です。一つずつ解説します。

 

3-1.収益が伸びるまで時間がかかる


コインランドリー経営のデメリットの一つは、安定した収益を得るまでの時間が長いことです。
特に開業初期は、顧客からの認知を増やし、リピーターを獲得するための時間と努力が必要です。これは、アパートやマンションのような賃貸経営とは異なり、初月からの高収益を期待することが難しい点として挙げられます。

 

コインランドリー経営は、飲食店と同じく、顧客の継続的な利用が鍵となるため、その確立には一定の期間と戦略が求められるデメリットが存在します。

 

3-2.他店舗と差別化しづらい


コインランドリー経営の課題の一つは、他の店舗との差別化を図ることが難しい点です。
多くの店舗が似たような洗濯機や乾燥機を使用しているため、顧客に選ばれるための独自性を持つことが求められます。特に、同じエリアに複数のコインランドリーが存在する場合、競合との差をつけるための工夫が必要です。

 

例えば、アルカリイオン水を使用した洗濯機や、ペット用品専用の洗濯機の導入など、ニーズに応じたサービス提供が考えられます。しかし、これらの取り組みにはコストがかかるため、投資と収益のバランスを慎重に検討する必要があります。

 

3-3.経営の難易度が立地に左右されやすい


コインランドリー経営の成功は、立地に大きく左右されるという特徴があります。
顧客は、利便性や自宅からのアクセスを重視してコインランドリーを選ぶため、良い設備を持っていても、適切な立地でなければ集客は難しいのです。

 

理想的な立地とは、家族世帯や1人暮らし世帯が多く、食品スーパーの近くで、視認性が高く駐車も容易な場所を指します。このような条件を満たす場所での経営は、家賃を支払うことを考慮しても収益が期待できます。

 

一方、自己所有の土地がこのような条件を満たしていない場合、無理に経営を進めるよりも、適地を探して賃貸での経営を検討する方が賢明です。

 

3-4.初期費用がかかる


コインランドリー経営を検討する際の主な懸念点の一つは、かなりの初期投資が必要となる点です。
多くの場合、開業には数千万円の資金が必要とされています。この高額な初期費用は、高品質の洗濯機や乾燥機などの業務用機械への投資に起因しています。

 

さらに、洗濯機や洗濯乾燥機だけでなく、両替機や監視カメラなど、運営に必要な設備も多岐にわたります。さらに設備費用以外にも、小型店舗であっても更地からコインランドリーを建てる場合、建築費、内装工事、環境によっては駐車場の整備なども必要になるでしょう。

これらの初期費用を抑えるために、設備のリースを検討するオプションもありますが、電気代・ガス代、清掃費用といった総合的なランニングコスト(維持費用)も含めて、慎重な資金計画が必要です。コインランドリー事業の成功には、これらの費用面と収入のバランスが重要な要素となります。

 

4.所有地のエリア特性やニーズを理解することが大事

コインランドリー経営は、収益目的として近年注目を集めています。その事業モデルは、日常の洗濯ニーズに応えるもので、特定の地域や人々におすすめできるポイントが多々あります。メリットとしては、ランニングコストが低く、景気の変動に強い、そして土地の地形や条件に柔軟に対応できる点が挙げられるでしょう。

 

一方で、デメリットとしては、収益が安定するまでの時間、他の店舗との差別化の難しさ、そして立地による経営の難易度の違いが考えられます。また、コインランドリー経営を成功させるためには、自分の所有地のエリア特性やニーズを深く理解することが不可欠です。

 

地域の人々のライフスタイルや洗濯の頻度、家族構成、近隣の施設や交通アクセスなどの環境要因を考慮することでコインランドリー経営を行うにあたってのニーズが得られます。これらの情報を基に、サービスの質や設備の選択、営業時間などを最適化することで、競合他店との差別化を図り、地域住民の信頼とリピーターを増やすことができます。

 

所有地のエリア特性やニーズを適切に把握し稼働率といった指標をもとに売り上げやキャッシュフローなどを明らかにすることは、コインランドリー経営の方向性を定め、失敗するリスクを低減して長期的な成功に繋げるための基盤となるでしょう。ただ、オーナー様が個人でリサーチするのは困難なため、土地活用のプロへの相談とサポートを受けることをおすすめします。

■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者