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シェアハウスの経営とは?メリット・デメリットや向いている土地

公開日: 2023.11.13

最終更新日: 2023.11.17

シェアハウスの人気が高まる中、「シェアハウス経営ってどうなの?」と興味を持っている方もいるのではないでしょうか。近年、単身者や外国人を中心に安く部屋を借りたいというニーズが増加しています。

 

賃料が安めに設定されているシェアハウスは特に人気を集めていますし、また他人とのつながりを求めてシェアハウスに入居する人も増えています。一時は新型コロナウイルス感染症の影響で需要が落ち込みましたが、再び回復していくことが予想されるでしょう。

 

この記事では、シェアハウス経営のビジネスモデルやメリット・デメリット、アパート・マンションなどの賃貸経営との違いなどについて詳しく解説します。土地活用や税金対策の一環として、シェアハウス経営を検討している方はぜひ最後までお読みください。

目次

1. シェアハウス経営のビジネスモデル

1-1.シェアハウス経営の収益

1-2.シェアハウスの管理形態

2. シェアハウス経営とマンション・アパート経営は何が異なるのか

2-1.部屋に必要な設備の数が異なる

2-2.契約の形態が異なる

3. シェアハウス経営のメリット

3-1.空室リスクを軽減しやすい

3-2.あまり広い部屋を必要としない

3-3.通常の賃貸物件とは異なるターゲットを獲得できる

3-4.ポータルサイトで入居者を募集できる

4. シェアハウス経営のデメリット

4-1.管理業務が多い

4-2.物件の転用性が低い

5. シェアハウスに向いている土地の例

5-1.人口の多い都市圏

5-2.大きな大学の周辺

6. 土地活用や税金対策をお考えならシェアハウス経営も検討しよう


1.シェアハウス経営のビジネスモデル

シェアハウス経営のビジネスモデルとは一体どのようなものでしょうか。この章では、シェアハウス経営における収益の源泉や管理形態について解説します。

 

1-1.シェアハウス経営の収益


シェアハウスとは、1つの住居に複数人が共同で暮らす賃貸物件を指します
共用スペース(キッチン、リビング、バスルームなど)を共有し、個人の部屋がプライバシーを保つ空間として提供されます。
シェアハウス経営は、建物に共用スペースと個室を設け、1つの物件から複数の家賃収入を安定的に得るモデルとして注目されています。
部屋が一部空室でも、他が埋まっていれば収益を確保できます。

 

シェアハウスでは、狭い部屋でも需要があり、効率的に部屋数を増やすことが可能です。
例えば、アパートで1Kを作る場合、約22~25㎡の面積が必要です。

しかし、シェアハウスでは、同じ1Kの部屋を作るのに10㎡未満の面積で済むことが多いです。
これは、シェアハウスの部屋はキッチンやバスルームを持たないため、部屋自体の面積をコンパクトにすることができるからです。

 

このため、例えば40坪の土地にシェアハウスを建てた場合、8部屋を持つことができるとします
。一方、同じ土地に4部屋のアパートを建てた場合と比較すると、シェアハウスの方が2倍の部屋数を持つことができます。
そして、狭い部屋ほど1部屋当たりの㎡単価は高くなることが一般的です。このため、シェアハウス運営は、物件全体としての収益性が高まる可能性があります。

 

シェアハウスは1つの物件内の部屋数が多いため、1部屋が空室になった場合でも、全体の収益への影響が限定的です。このため、通常の賃貸に比べて空室リスクが低減し、収益性が向上するのがシェアハウスの特徴です。

 

1-2.シェアハウスの管理形態


シェアハウスの管理形態には、自主管理、委託管理、サブリース方式の3つがあります。
これらは、オーナーの関与度や役割によって選ばれます。

 

自主管理とは、オーナーが入居者募集から日常運営まで全てを担当することです。
委託管理では、管理会社に業務を任せるものの、一部はオーナーが直接行うこともあります。
サブリース方式は、全ての運営を事業者に委託し、オーナーの負担を大きく軽減できるのが特徴です。

 

シェアハウスの管理方法は、オーナーの負担、物件の立地、運営の専門性によって変わります。シェアハウス経営は一般的な賃貸とは異なる特性があるので、各方式の利点・欠点を理解し、適切な方法を選ぶことが重要です。

 

なお、不動産投資でサブリース契約を活用するメリットやデメリットについては以下の記事で解説しています。

 

関連記事:不動産投資でサブリース契約を活用するメリット・デメリットは?

2.シェアハウス経営とマンション・アパート経営は何が異なるのか

近年、シェアハウス経営の人気が高まっていますが、実際のところ、従来のマンション・アパート経営とはどのように異なるのでしょうか。
それぞれの違いについて解説していきます。

2-1.部屋に必要な設備の数が異なる


シェアハウスでは、トイレや浴室、洗面所、キッチンなどの水回りを入居者同士で共有するため、各個室にこれらの設備を整える必要がないのが特徴です。
このため、工事や修繕の際のコストを大幅に抑えることができるメリットがあります。

 

多くのシェアハウスには共用のキッチンやリビングが設けられており、他の入居者とのコミュニケーションを重視する人々からの支持を受けています。シェアハウスのような共同生活のスタイルでは、共有部分を効果的に活用することで、コストを抑えつつも、入居者の満足度を高めることができるでしょう。

 

2-2.契約の形態が異なる


シェアハウスの契約形態は、通常の賃貸物件とは異なり、経営者にとってリスクを低減させるものと言えます。
シェアハウスでは「定期建物賃貸借契約」を結ぶことが一般的です。

定期建物賃貸借契約が1年以上の場合、賃貸人は賃借人に、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、「期間の満了により賃貸借契約が終了する」旨を通知します。期間が1年未満の場合は、
この契約は期間満了時に自動的に終了します。

 

そのため、短期間の滞在を希望する外国人観光客やビジネスマンなどをターゲットに、数ヶ月単位の契約を提供することが可能です。これにより、高い家賃設定で収益性を向上させることが期待できます。

 

一方、アパートやマンションの賃貸経営では、入居者の権利が強く、問題のある入居者を簡単に退去させることは難しいです。
シェアハウス経営では、この契約形態の特性を理解し、適切な契約を結ぶことで、成功への道を築くことができるでしょう。

 

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3.シェアハウス経営のメリット

シェアハウス経営は、近年の不動産投資の中でも注目される分野となっています。
その背景には、単なる賃貸物件とは異なる多くの魅力が隠されているからです。

この章では、シェアハウス経営がもたらす具体的なメリットを詳しく解説します。

 

3-1.空室リスクを軽減しやすい


シェアハウス経営は、一般的な賃貸物件と比較して、空室リスクの分散が容易であり、家賃収入も安定しやすいという特長があります。
複数の入居者が共同生活を営むシェアハウスでは、一部の部屋が空いても、他の部屋からの家賃収入が確保できます。

これは、特に一戸建て賃貸とは異なる点です。
一戸建て賃貸の場合、物件全体が1つの家賃収入減となります。したがって、その物件が空室となると、家賃収入は一時的に0となります。

一方、シェアハウスは複数の部屋が独立して家賃収入の源となっているため、一部の部屋が空室となっても、他の部屋からの家賃収入が継続して確保されるのがポイントです。

 

このように一戸建ての賃貸経営では、入居者がいないと収益が0になるリスクがありますが、シェアハウスではそのような心配がありません。また、シェアハウスの入居者は、コミュニケーションを重視する人や家賃を抑えたい人など、多岐にわたります。

 

良好な評判を持つシェアハウスは、入居希望者が集まりやすく、通常の賃貸物件とは異なる魅力を持っていると言えるでしょう。

 

3-2.あまり広い部屋を必要としない


シェアハウス経営のメリットの1つは、部屋の広さを効率的に最適化できることです。
主なターゲットが単身者で、広すぎない部屋でも快適に過ごせるニーズがあるからです。

 

さらに、キッチンや浴室などの設備は共用となるため、各部屋にそれらのスペースを確保する必要が省けます。
この特性は、通常の賃貸物件とは異なり、工事費やランニングコストの削減につながります。

 

共有部分の存在により、コンパクトな部屋でも入居者の満足度を高めることが可能です。

 

3-3.通常の賃貸物件とは異なるターゲットを獲得できる


シェアハウス経営の魅力は、特定のニーズを持つターゲット層に対応できる点にあります。
通常のアパートやマンションとは異なり、シェアハウスは独自のコンセプトを持ち、異文化交流を求める外国人や、トレーニングルームやヨガスタジオを設けることで、健康志向の人々を引きつけることができます。

 

これらの特色が、入居者にとって魅力的な選択肢となり、一度入居した人が長く住んでくれる期待感があるのもシェアハウスの特徴と言えるでしょう。
シェアハウス運営は、このような独自性を活かし、競合との差別化を図りつつ、安定した運営を実現することができるのです。

 

3-4.ポータルサイトで入居者を募集できる


シェアハウスの探索は主にインターネットを通じて行われ、特化したポータルサイトの存在が大きな役割を果たしています。
これらのサイトは日々多くの訪問者を集め、シェアハウスに興味を持つ人々が集まる場となっています。

 

情報を掲載することで、多くの目に触れる機会が増え、入居者の募集がスムーズに進むでしょう。

4.シェアハウス経営のデメリット

シェアハウス経営のメリットがある一方で、デメリットも当然あります。
ここでは、シェアハウス経営における具体的なデメリットや注意点を詳しく解説していきます。

4-1.管理業務が多い


シェアハウス経営は高収益を期待できますが、多くの管理業務が伴うのがデメリットです。
多数の共用スペースを持つため、継続的な管理が求められます。
これには、清掃、設備点検、入居者間のトラブル対応などが含まれ、不適切な管理は入居者の満足度低下や退去リスクを高めます。

 

特に、共用部分のキッチンやリビングの設備故障、清掃状況など、日常的なチェックが欠かせません。
これらの業務は通常の賃貸よりも複雑で、時間を要することが多いのが実情です。

そこで、管理の負担を軽減するため、委託方式やサブリース方式の採用を検討することが推奨されます。

 

4-2.物件の転用性が低い


シェアハウスには通常の賃貸とは異なる要件がいくつかあります。
特に広い共用スペースの存在や、部屋の配置などはシェアハウスならではの特徴です。

したがってシェアハウス経営をとりやめて別の土地活用をしようとした場合、既存の物件をそのまま利用するのは困難になるケースが予想されます。

 

5.シェアハウスに向いている土地の例

シェアハウス経営を成功させるためには、物件の立地が非常に重要です。
特定の地域はシェアハウスの需要が高く、経営者にとって大きなメリットをもたらす可能性があります。

 

では、どのような土地がシェアハウスに最適なのでしょうか。この章では、シェアハウスに向いている土地の具体的な例を紹介します。

5-1.人口の多い都市圏


都市圏は、シェアハウス経営に最適なエリアです。
特に東京や大阪のような大都市には、仕事や学業、生活の利便性を求める若者や外国人が多く集まります。これらの地域では、多様な文化や国際性が高まり、学生、若手ビジネスマン、観光客、留学生などが流入しています。

 

家賃が手頃な物件を求める単身者も多く、シェアハウスは高い入居率と安定収益が期待できるでしょう。
新しい場所で知り合いや友人が少ないことから、孤独感やコミュニケーションの取りづらさなどの移住時の不安を感じる人々にとって、コミュニティ形成のしやすいシェアハウスは魅力的な選択肢です。

 

一方、利便性の低い農村地帯でも、のどかな生活を望む人々には一定の需要が見込まれます。
地域の伝統行事や畑仕事などを体験できる地方のシェアハウスで暮らしたい、豊かな自然を味わいたいと考える人にとって魅力的な選択です。

 

5-2.大きな大学の周辺


大きな大学の周辺は、シェアハウス経営に最適なエリアです。多くの学生は手頃な家賃の物件を求めるため、シェアハウスの需要が高まります。家具や家電が整っているシェアハウスであれば、一人暮らし初心者の学生にとって魅力的です。

 

また、住民間のコミュニティ形成が期待でき、人と暮らす安心感を求める学生にも好評です。
例えば、東京都内の大学近くには、学生を中心としたシェアハウスが多数存在します。

 

6.土地活用や税金対策をお考えならシェアハウス経営も検討しよう


今回は、シェアハウス経営の概要と、そのメリット・デメリット、さらに適した土地の特徴について紹介しました。

シェアハウス経営は近年の不動産投資の中で注目される方法となっているものの、成功のためには、適切な土地選びやターゲット層の理解が必要です。特に、都市圏や大学周辺は高い需要があります。

多くの利点がある一方、デメリットも考慮する必要があるので、なおさら徹底した事前調査と信頼性のある専門家との協力が成功のポイントと言えるでしょう。

 

シェアハウス経営を検討している方は、今回の情報を参考に、計画的に進めていくことをおすすめします。

■監修者プロフィール

有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者