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マンション経営における8つのリスクと対策|正しい把握が成功のカギ

公開日: 2022.11.25

最終更新日: 2022.12.01

マンション経営は入居者の家賃により収益を上げるビジネスです。

家賃は基本的に毎月固定で支払われるため、入居者がいる限り安定収入が得られるメリットがあります。
また、サラリーマンの副収入や節税、老後の年金対策として有効な手段になります。

一方、マンション経営が抱えるさまざまなリスクや注意点も同時に理解しておくことが大切です。そこで本記事ではマンション経営のリスクと対策について詳しく解説します。

目次

1. マンション経営のリスク1:空室リスク

1-1.空室リスクとは

1-2.空室リスクの対策

2. マンション経営のリスク2:賃料下落リスク

2-1.賃料下落リスクとは

2-2.賃料下落リスクの対策

3. マンション経営のリスク3:家賃滞納リスク

3-1.家賃滞納リスクとは

3-2.家賃滞納リスクの対策

4. マンション経営のリスク4:住民トラブルリスク

4-1.住民トラブルリスクとは

4-2.住民トラブルリスクの対策

5. マンション経営のリスク5:建物の修繕・維持管理リスク

5-1.建物の修繕・維持管理リスクとは

5-2.建物の修繕・維持管理リスクの対策

6. マンション経営のリスク6:災害リスク

6-1.災害リスクとは

6-2.自然災害リスクの対策

7. マンション経営のリスク7:金利上昇リスク

7-1.金利上昇リスクとは

7-2.金利上昇リスクの対策

8. マンション経営のリスク8:管理会社の倒産リスク

8-1.管理会社の倒産リスクとは

8-2.管理会社の倒産リスクの対策

9. マンション経営のリスクを回避するためにしておきたいこと

9-1.不動産投資に関する知識を学ぶ

9-2.資金調達の方法を検討する    

9-3.サブリースなど自身に適した管理形態を選択する    

10. マンション経営はリスク対策が重要

1.マンション経営のリスク1:空室リスク

1-1.空室リスクとは

マンションの入居者が見つからず、空室期間が続くリスクのことです。

マンション経営は入居者から集める賃料が収入源となるため、空室率の増加や長期化は収支の悪化を招きます

特に区分所有マンション経営は1棟経営よりも手軽に始められる反面、貸し出している部屋が一戸の場合、その部屋が空室になると収入がゼロになってしまうため、空室リスクが大きい特徴があります。

 

また、当初は入居率が高かった物件でも周辺地域の人口減少や周囲の賃貸物件の供給過多などが影響して、空室リスクが高まる可能性も考えられます。

1-2.空室リスクの対策

空室リスクを極力回避するには、賃貸需要の見極めが重要です。賃貸需要が高い好立地の物件であれば、住民が退去しても次の入居者がすぐに決まりやすいので、空室リスクを抑えることにつながります。

 

実際に物件選びをするときは、自分一人で考えようとはせず、賃貸需要を調査できる会社などに相談するのがおすすめです。
もし保有している土地に新たにマンションを建て、賃貸経営を始めたいと考えている方は、その土地に賃貸需要があるかどうかの見極めを行うことから始めましょう。

 

また、入居者を斡旋する不動産会社との関係性も重要です。こまめにコミュニケーションを取り、空室発生時には速やかに次の入居募集手続きをしてくれる体制にできれば、満室状態を維持しやすくなり、空室対策につながります。

2.マンション経営のリスク2:賃料下落リスク

2-1.賃料下落リスクとは

入居者を集めるために賃料を下げなければならないリスクも考慮しなければなりません。
主にマンションの築年数が経過するなどして、周辺物件と比較して外装の美観や設備機能が見劣りする状態になった場合に想定されます。

 

新築マンションを建築(または購入)した場合でも、築年数が古くなり建物としての魅力が損なわれると、新築当時の賃料で入居者を集めるのは困難になるので、賃料を下げざるを得なくなります。

 

賃料を下げれば入居者が集まりやすくなり、空室リスク防止につながりますが、収益性が悪くなり物件の利回り低下を招くため、オーナーとしては痛手です。また、賃料はマンションの状態だけでなく、周辺物件の相場や賃貸需要の影響なども強く受けるため、周囲の賃貸需要の変化には常に目を配ることが大切です。

2-2.賃料下落リスクの対策

家賃下落リスクは空室リスクと強い関係性があります。そのため、空室リスク対策を行えば賃料下落を防げることが多いでしょう。

 

例えば物件選びを適切に行うことは、賃料下落対策として非常に有効です。基本的に人口が増えているエリアの物件は、空室リスクが少ないため、賃料を下げなくても入居者が見つかりやすい傾向にあります。

 

特に東京のような都市圏には単身者が多く賃貸需要が高いため、都心にありなおかつ単身者向けの物件を選ぶことは、賃料下落リスクへの対策になります。

また、築年数が経過した中古マンションでも、リフォームの実施や最新設備の導入など行い、入居者のニーズを捉えた改修を行えば、物件としての魅力が高まり、賃料下落が抑えられます。

3.マンション経営のリスク3:家賃滞納リスク

3-1.家賃滞納リスクとは

家賃滞納リスクとは入居者が期日までに家賃を支払わないことで起こるリスクです。

本来得られるはずだった家賃収入が得られない状況でありながら、契約をしている以上、次の入居者を募集することもできないため、場合によっては空室リスクより厄介な問題となります。

 

もちろん、家賃滞納が長引き、強制退去に踏み切るケースもあります。しかし、日本では借地借家法により、入居者の居住権が強く保護されており、簡単には入居者を退去させることができないため、あくまで最後の手段と考えなければなりません。

 

家賃滞納が続いた場合は、まずは入居者へ滞納家賃の支払い交渉を行う必要があります。裁判所を通して督促状を送ることもできますが、手間と費用がかかるため、辛抱強く行わなければなりません。

3-2.家賃滞納リスクの対策

家賃滞納の恐れがある人を入居させないことが有効な対策の1つです。そのためには入居前の審査を入念に行い、支払い能力に問題がないか、過去に家賃滞納や金銭のトラブル歴があるかなどをチェックする必要があります。

 

もちろん、オーナーが自らこうした調査を実施することはできないので、信頼のおける管理会社に依頼しなければなりません。

また、実際に家賃滞納が起こってしまった場合は、オーナーだけで解決するのは難しいのが現実です。

 

無理やり家賃を請求しようとしてトラブルに発展するケースもあるため、賃貸管理会社や弁護士などに相談して進めるようにしましょう。

万が一、家賃滞納があった場合に備えて、家賃回収のノウハウや入居者に対する住み替えサポートなどの体制が整っている管理会社を選んでおくことも重要です。

4.マンション経営のリスク4:住民トラブルリスク

4-1.住民トラブルリスクとは

マンションやアパートのような集合住宅では、複数の入居者が住んでいます。時には入居者のマナー違反や迷惑行為により、他の入居者からクレームが出て、住民トラブルに     発展するケースもあるでしょう。

 

入居者が原因で起きるトラブルの事例としては、騒音、ゴミの放置、ペットNG物件でのペット飼育、隣人同士の揉め事などがあげられます。
トラブルを放置すると多くの住民が迷惑を被り、住民の退去や物件の評判低下を招く可能性があります。

 

結果的に経営の悪化につながるため、オーナーは管理会社と連携して迅速に対処しなければなりません。

4-2.住民トラブルリスクの対策

住民トラブルリスクの対処法としては、多くのトラブルに対処してくれる不動産管理会社を選ぶことが効果的です。マンション経営では入居者対応を自分で全て行うオーナーは少なく、管理会社に委託するのが基本となっています。

 

不動産管理会社は多数ありますが、マンション経営を行うオーナーにとって重要なパートナーとなるため、コストだけで判断せず、事故やトラブル発生時にすぐに動いてくれる体制が整った管理会社を選ぶことが大切です。

 

また、家賃滞納リスク同様、入居者の審査を丁寧に実施して、問題行動を起こす人を入居させないことが有効な対策になるでしょう。

5.マンション経営のリスク5:建物の修繕・維持管理リスク

5-1.建物の修繕・維持管理リスクとは

不動産は形がある資産なので、修繕や点検などの維持管理を適切に行う必要があります。

物件の老朽化や設備機器の故障に対しては、修繕やリフォームを施して対処しなければならず、その都度費用がかかります。

 

管理費用や修繕費用を抑えようとして維持管理に関わる業務を怠っていると、資産価値や評判の下落につながるため注意しなければなりません。また、適切な時期に修繕を行っていないと、急に設備のトラブルが発生したり、漏水や雨漏りなどの重大事故が発生したりする可能性もあります。

 

一般的には20年前後のスパンで大規模修繕を行うのが基本とされているので、計画的に実施することが大切です。

5-2.建物の修繕・維持管理リスクの対策

マンション経営を行う以上、修繕が発生することを前提とした資金計画を立てなければなりません。適切な状態を保つためにマンションの修繕は避けて通れないので、いつ頃修繕が必要になるか、いくら費用がかかるのかをシミュレーションするようにしましょう。

 

大規模修繕の時期や費用などを具体的に定めた長期修繕計画も策定する必要があります。

また、マンションの共用部分の場合、改修にかかる費用を補助する制度もあるため、管理会社のサポートを受けながら、上手く活用してください。

高額な費用を要する修繕の発生を未然に防ぐため、メンテナンスを適切に行い、予防保全の意識を持つことも重要です。

 

例えば定期的な設備点検で機器の異常を検知した場合には、故障する前に修繕を施すことで、事故やトラブルの発生を防げます。
結果的に設備機器が壊れて取り替えるよりも、安価な費用で済む場合もあるので、できるだけ早めの対処が有効です。

6.マンション経営のリスク6:災害リスク

6-1.災害リスクとは

自然災害をはじめとした大きな災害で不動産が被害にあった場合、予定外の修繕が発生するリスクのことです。

近年は線状降水帯が原因となり、大規模な洪水や土砂崩れが多く発生しているため、よりいっそう警戒すべきリスクとなっています。

 

例えば大地震によってマンションが倒壊または損傷した場合、被害の状況によっては莫大な修繕費がかかるケースが想定されます。

また、自然災害だけでなく、入居者の過失によって火災などが発生する可能性もあり、こうしたリスクはオーナー自身が気をつけていても防げないため、しっかりと対策を考えておかなければなりません。

6-2.自然災害リスクの対策

自然災害リスクに対しては、もしもの場合に備えて保険に加入するのが一般的です。例えば火災や台風による被害は火災保険で補填されます。

火災保険は任意で加入する保険ですが、金融機関から融資を受ける場合においては、火災保険への加入が条件になっていることが多いため、マンション経営を行うほとんどのオーナーは加入することなるでしょう。

 

なお、地震によって生じた被害は地震保険で補填されますが、地震保険は単体では加入できず、火災保険の付帯契約となっている点を覚えておきましょう。
一部の災害は起きやすい場所と起きにくい場所があるので、物件が位置する場所の見極めも重要といえます。

7.マンション経営のリスク7:金利上昇リスク

7-1.金利上昇リスクとは

金利上昇リスクは、金融機関から融資を受けた場合に起こる可能性があります。
金利の上昇に伴って利息が増加し、ローン返済の負担が大きくなる状況のことをいいます。

 

日本では日銀の金融緩和政策などの影響により、不動産投資ローン、住宅ローンともに長年にわたり低金利状態を維持しています。

しかし、現在は低い状態でも今後数十年にわたり金利が上昇しないという保証はないため、ローンを組んだ場合、金利の動きをよく把握することが大切です。

7-2.金利上昇リスクの対策

金利が一定の期間変動しない固定金利(全期間固定型)を選択することが有効な対策になります。
固定金利であれば変動金利と違い、もし金利の上昇があっても影響を受けず、返済額にかかる利息は変化しません。

 

変動金利よりも当初の金利が高い点がデメリットですが、返済額が事前に確定するので、資金計画が立てやすいメリットもあります。

ただし、変動金利を選択した場合でも、原則として5年間は返済額が変更されず、変更する際は従前の返済額に対して1.25倍までを上昇幅の上限としています。

そのため、金利が上昇したとしても急激に利息の支払いが増えることはありませんが、元本の返済も遅くなってしまうので、決して安心はできません。

 

しかし、上記のルールを設けていない金融機関もあるため、ローンを組む際は事前に契約条件を確認したうえで検討するようにしてください。

また、手元の資金に余裕がある場合、繰り上げ返済を利用して低金利のうちに借入金を前倒しで返済する方法も有効といえます。

8.マンション経営のリスク8:管理会社の倒産リスク

8-1.管理会社の倒産リスクとは

マンションの管理業務を委託していた不動産管理会社が倒産するリスクのことです。


発生する可能性は低いものの、不動産投資に大きく影響するリスクの一つといえるでしょう。管理会社が倒産に追い込まれた場合、「入居者から回収した家賃がオーナーへ送金されない」「修繕や点検、清掃といった管理業務が行われない」など、さまざまなトラブルが想定されます。

 

もし倒産してしまった場合は、管理会社への委託を見直し、自分で物件管理する方法もありますが、マンションのような規模の大きい建物では、自主管理は非常に困難なので、ほとんどのオーナーが次の管理会社を探すことになるでしょう。

8-2.管理会社の倒産リスクの対策

管理会社の倒産リスクの対策としては、経営が安定しており、信頼できる管理会社を選ぶことが重要です。

また、事前に計画した内容を履行する仕組みや組織があることや、過去の実績なども判断材料になります。

基本的に規模が大きく多数の管理物件を持つ管理会社であれば、簡単には倒産しませんが、念のため、委託を決める前に会社の財務状況などを調べておくと良いでしょう。

9.マンション経営のリスクを回避するためにしておきたいこと

マンション経営を行うオーナーがリスクを回避するために実施しておきたいことを3つ説明します。

これから不動産投資を行う方はぜひ参考にしてください。

9-1.不動産投資に関する知識を学ぶ

起こり得るリスクも含めて、不動産投資全般の基礎知識をつける努力をしましょう。


不動産投資の情報収集や勉強をして、物件の選び方、市場ニーズの把握、節税効果の高い経営手法、経営で失敗しない方法や成功するためのコツを習得することが重要です。

情報収集の方法には書籍による学習、セミナーへの参加、専門家のメルマガなどが考えられます。

ただし、不動産投資の情報発信をしている会社や専門家は多数おりますので、自分なりに信頼できる会社や専門家を探すことから始めましょう。

9-2.資金調達の方法を検討する  

 

マンション投資を始める場合、物件の建築費または購入費が多額の資金が必要なので、多くの方が融資を利用します。

しかし、融資を利用する場合でも、ある程度の自己資金は必要です。


自己資金が少ないと、頭金の支払いができなかったり、審査に悪い影響を与えたりするケースが考えられます。

もちろん、物件の規模にもよりますので、まずは購入したい物件の価格を把握して、どのくらいの資金が必要なのか押さえることが大切です。

9-3.サブリースなど自身に適した管理形態を選択する    

サブリース契約とは、所有している賃貸物件の管理をサブリース会社に一括委託する方法です。

サブリース会社はオーナーが所有している賃貸物件を入居者へ転貸するため、入居者はサブリース会社へ家賃を支払います。

家賃からサブリース会社の手数料が差し引かれるため利益が削られますが、空室があっても一定の金額が支払われる家賃保証を採用するケースが多く、安定した家賃収入が期待できます。

また、賃貸管理はサブリース会社がすべて行うため、入居者の家賃滞納、修繕・維持管理、住民トラブルなどのリスク対策にも有効です。

10.マンション経営はリスク対策が重要

マンション経営にはさまざまなリスクが考えられますが、事前に想定されるリスクの種類と対策を考えたうえで実践すれば、安定した収入源とすることが可能です。

また、所得税や相続税といった税金の軽減にも有効なので、所得が高く税金の支払いが多い方、相続税対策をしておきたい方にもおすすめの方法です。

 

大東建託では不動産投資や土地活用、資産形成、資産運用に関するさまざまなご相談を無料で受け付けるサービスを展開しております。

これからマンション経営を始めたいと考えている方は、もし不安な点があればぜひお気軽に問い合わせください。

■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者