イノベーション力を磨き上げろ!ミライノベーターのアイデア創出への挑戦

~イノベーションを起こせ!大東建託グループの挑戦者たち Vol.4/運営インタビュー~

事業活動

大東建託グループの全社員が参加できる社内ベンチャー制度「ミライノベーター」。この制度は、社員の新規事業アイデアを丁寧にサポートし、成長を促す仕組みです。
最終回となる今回は、この制度をイノベーションリーダーとして運営する社員へのインタビューを通して、創設から4年の活動を振り返りながら、大東建託グループがミライノベーターを通じて何を実現しようとしているのかについて迫ります。

 
大東建託株式会社 事業戦略部 遠藤 勇紀(えんどう ゆうき):学生時代から新規事業立ち上げを経験し、以降「社内新規事業」の立ち上げに特化したキャリアを歩む。2023年4月に大東建託へ中途入社し、イノベーションリーダーとして運営に携わり、社内起業家を目指す社員を伴走を支援する。事務局としての活動の傍ら、オープンイノベーションによる新規事業の立ち上げにも取り組んでいる。

■ チャレンジにペナルティはない。全ての社員に開かれた挑戦の舞台

現在、多くの企業が社内起業制度を導入し、新規事業の創出を加速させています。これまでのミライノベーターを振り返ると、毎回応募件数は100件を超え、社員の参加意欲が高いということと、その主体が30〜40代の中堅層であるという傾向が見られます。この4年間で、当社グループの社内起業制度はキャリアステップとしても注目されるようになってきています。

その伴走メンバーとして活躍しているのが、今回インタビューにご協力いただいた事業戦略部の遠藤勇紀さんです。最近では、社員からの制度に対する関心や期待の高さについて、他社の社内起業制度の運営担当者から質問されることや、制度についてイベントやセミナーに登壇し発表する機会が増えていると遠藤さんは語ります。
社内新規事業の立ち上げに専門知識と経験を持つキャリアを築いてきた遠藤さんに、制度の特徴や成果を生み出すための仕組みづくりについて伺いました。

遠藤  ー まず、「あなたも社長になれる!」がキャッチコピーのミライノベーターは、事業を伸ばすために必要であれば、社員自身が実際に「事業を興す」ことが可能な制度です。昨今の社内ベンチャー制度の中でも、社内にいながら全く別のキャリアを目指すことができるのは、当社グループが推進するこの制度の持つ大きな特徴だと思っています。

第6回ミライノベーター社員啓蒙イメージ

また、応募者の中心が中堅社員なのも当社グループならではの特徴ですね。一般的に、現状を打破したいと考える若手社員からの参加意欲が高くなることが多いのですが、当社では「挑戦する」という企業文化が社員に根付いており、自然と中堅層の社員が多くなっているのではないかと思います。延べで約10%の社員が既に参加済みという現状は他社に比べてかなり高い数値で、自発的に行動を起こそうという、高い意識を持った社員が多いことがうかがえます。

ライフステージが変化していく過程にあっても、ミライノベーターによって社内で別のキャリアパスを追求することが可能です。「社員の成長によって会社も成長する」自己成長や、新たな挑戦のきっかけにしてほしいと考えています。

■ 社員の「チャレンジ精神」を喚起する、本気の制度作り

  ミライノベーターには「毎回100件を超える応募数がある」と伺っていますが、応募数を維持するための工夫や提案者へのバックアップ体制として、事務局ではどのような取り組みを行っているのでしょうか。

積極的に社外のセミナーに登壇し、ミライノベーターの取り組み事例を紹介している

遠藤  ー まず、ミライノベーターでは、最終審査を通過した際の賞金や事業化後の利益分配といったインセンティブを提供し、エントリーへの動機づけを行っています。さらに、当社独自の支店評価制度である「みなし評価」にミライノベーターの評価を連携させることで、新規事業に挑戦する社員の頑張りが支店や事業部としてもしっかりと評価される仕組みも整えています。これにより、提案者を取り巻く他の社員も少しずつですがミライノベーターを前向きに受け入れるようになり、社員が積極的に新規事業の提案に時間を割ける環境が整いつつあります。
※ 社員を対象にした成果型の報奨金制度

 また、サポートの際に最も大切にしているのが、応募者との相互コミュニケーションです。 例えば、ミライノベーターの制度を紹介するセミナーなどに参加した社員に対して個別に相談会を実施し、「なぜミライノベーターに興味を持ったのか」「どんなアイデアを持っているのか」「エントリーしない理由は何か」といった内容の聞き取りを行っています。こうしたコミュニケーションを通じて、潜在的な応募者の思考を整理し可視化することで、応募へのモチベーションにつながるサポートを実践しています。

従業員が気兼ねなく参加できるよう、セミナーは昼休憩時間に開催される ※昨年度実施例

遠藤  ー バックアップ体制については、応募促進を目的としたセミナー以外にも、社内起業家の育成を目的としたワークショップの開催や、外部の事業立ち上げの専門家に相談ができる事前相談会を実施しています。また、最終審査通過後には、社外メンターを伴走者として迎え入れ、社内外両面で事業性と市場性を判断しながら実証実験フェーズを進めています。これにより、社内外の支援によって着実にステップを踏めるようにしています。

社内起業家を育てるためのワークショップでは、経験者である事業オーナーが直接経験エピソードを共有。彼らの経験と知識を通じ、新規事業開発キャリアの可能性を体感することができる。

■ イノベーションが生まれやすい組織風土を目指して

  2月から第6回目の公募が開始されました。今回は当社グループの主力事業である「建設・不動産、生活インフラや暮らしサービス」に特化した事業案の募集になっています。このテーマに絞った背景や、ミライノベーターがどのような未来を見据えているのかについて教えてください。


遠藤  ー ミライノベーターは、「大東建託グループの売上・利益の拡大」を目指して創設された制度です。この目標達成に向け、新しい利益を生み出す事業を創ることは、当社グループが総力を上げて取り組むべき課題です。この創設時の思いは今も変わっていません。

第5回までは特定の領域に限定せずアイデアを募集してきました。これにより、グループの社員それぞれの得意分野を活かす機会となり、多様な社員からの積極的な参加が生まれ、アイデアの幅を広げることができました。その結果、社内で一定の認知を得ることができたと考えています。

今後は、更なる飛躍のために一段レベルを引き上げ、アイデアの質をこれまで以上に向上させていく必要があると考えています。そのためには、当社グループとのシナジー(相乗効果)が見込まれる事業領域や資源に注力し、より早く、より大規模な事業創出を推進していくことが求められると感じています。

遠藤  ー 第6回目では、セミナーの運営を見直し、量と質の改善にも取り組む予定です。例えば、応募期間中だけだったセミナーを年間通じた運営へ切り替え、新規事業を考える上でのスキルを体系的に学べる機会を作っていきます。こうした学びの場を提供することで、社員の自発的な行動を促していくのが狙いです。

また、これにより、「これを知っていれば何でもできるよね」というようなビジネスの基本スキルをコンテンツ化し提供することで、社員のスキルの底上げにもつながります。今後は人事部とも連携を図りながら、新規事業を考えられる人材を育てる土壌を作り、ミライノベーターに挑戦してみようと積極的になれる社員を増やしていきたいと考えています。

さらに、この見直しに合わせて、ミライノベーターのリブランディングも進める予定です。社内の制度改善だけでなく、社内外に向けて情報発信を強化していくことを考えています。そのために、専用のウェブサイトの準備を進めています。ミライノベーターの活動や成果を積極的に社内外に発信し、より多くの人々に知ってもらうことで、社員の意識向上にもつなげていきたいと考えています。

遠藤  ー 2月20日から第6回目のミライノベーターの公募を開始しました。今回は本業である建設・不動産領域を軸に、当社グループの本業をより強固に、あるいは拡大するアイデアを募集し、参加者がこれまでの業務経験を活かして提案できるようになりました。これにより、当社グループのリソースを最大限に活かした、より質の高いアイデアがたくさん生まれることを期待しています。

事業戦略部 寺戸次長と遠藤さん ※所属は2024年3月末時点

「新規事業の創出によって、今後5年間で会社の柱となる事業を創っていきたい」 と話す遠藤さん。 毎日充実した日々を送っているとしながらも、その目標に向けて今後も貪欲にミライノベーターのレベルアップを追求していきたいと語ってくれました。

次回は、第5回ミライノベーターの審査で優秀賞を受賞したチームと遠藤さんとの座談会をお届けします。どうぞお楽しみに!

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