サステナブログ

「誰もが快適に暮らせる住まい」の実現に向けて

みなさんは、これまでの人生で「こんな家に住みたい!」と考えたことはありますか?
子どもの頃は、屋根裏に秘密基地がある家に住みたかった、でも高齢になったら、段差のないコンパクトな平屋の方が良い・・・理想の家、住みたい家は、年齢やその時々のライフスタイルによって大きく変化します。ライフスタイルに合わせて部屋を住み変えられることも、賃貸住宅の魅力の1つですが、そこにアイデアを少しプラスすれば、もっと画期的な賃貸住宅が誕生するのではないだろうか。
そのような思いで、「大東建託グループ SDGsアワード2023」の活動を行う大東建託・長野支店と、「大東建託グループみらい基金」の支援団体、特定非営利活動法人STARSが「住まいに関する意見交換会」を共同開催しました!テーマは「障がい者とそのご家族が快適に暮らせる住まい」。今回のサステナブログでは、この意見交換会の模様をレポートします!

※特定非営利活動法人STARS
長野県須坂地域を中心に、障がい者支援事業や生活介護事業などに取り組むNPO団体。2018年度より、大東建託グループ みらい基金にて、継続して支援を行っている。
※大東建託グループSDGsアワード
全国の事業所で働く当社グループ従業員から、所在地域の地域課題に貢献する事業・施策アイデアを募集し、実際に取り組みにチャレンジしてもらう、当社グループ独自のプログラム。

※大東建託グループみらい基金
当社グループ従業員から任意で寄付金を募り、従業員の推薦によって選出された「地方創生」や「災害復興」などに寄与する全国の活動の支援を行う基金。

「住まいに関する意見交換会」 with NPO法人STARS様

意見交換会は、障がいがあるご家族をお持ちの保護者の方4名、NPO法人STARS代表の島田さん、大東建託・長野支店の従業員5名の、総勢10名で行われました。

第1部:まずは大東建託の新築アパートを見学!

参加者同士の自己紹介も早々に、まずは当社の新築アパートを実際に見学いただきました。当日用意した部屋の間取り図を見ながら、思い思いに意見や感想を出し合います!

長野県須坂市に完成した当社の新築アパート

間取り図を見ながら居室内を見学

部屋の設備もチェック

クローゼットの入り口、広い方が便利?

社員  :「クローゼットの入り口も、広い方が便利ですか?」
保護者 :「車いすの方はね。でも、視覚障がい者は、何かを伝って歩けた方が安心感があるから、入り口は逆に狭い方が良いと思いますよ。」
社員  :「なるほど。では、住む人によって入り口の大きさが変わる家なら便利ですね。」
保護者 :「それができれば最高ですね!」

扉は要らない!?

保護者 :「扉はほとんど要らない。子どもがどこで何をしているか、なんとなく把握できるし、介助するときも、開け閉めが大変なんですよ。」
社員  :「扉を無くすことで、扉分の建築費用を抑えることができるかもしれません。」
社員  :「扉がない家は、小さなお子さんを育てる家庭にも需要がありそうですね。」

みんなでお金を出し合って建てられる仕組みができてほしい

島田さん:「大東さんとSTARSのような組織で、障がい者とそのご家族が住みやすい建物をまずは作って、その後、ぼくらとご家族で家賃を払いながら建物を維持していくような仕組みができたら面白いですね。」
保護者 :「自分たちでアパートは建てられないけど、家をリフォームするにも、結局すごくお金がかかる。障がい者年金で払える家賃には限りがあるけれど、一定期間お世話になれる場所があって、時期が来たらそれを次の家族に引き継げるようなシステムがあったら嬉しいです。」

第2部:お茶をしながら意見交換!

実際に部屋を見ながら行った意見交換は、予想以上の盛り上がり!あっという間に終了時刻を過ぎてしまいました。その後は会場を生涯学習センターに移し、お茶を飲みながらリラックスムードで、引き続き意見交換を行いました。第2部では、当日来られなかった保護者の方を含む事前アンケートの結果をもとに、「今の家への要望」や「理想の家」について話し合いました。 

会場の様子

意見交換の様子

介護設備を試せる場が欲しい


保護者 :「体重40kgの娘を抱えるのは大変なので、天井走行式リフト付きの家が理想です。だけど、リフォームするにもお金がかかるし、一度付けたら元には戻せないので、試しに使うことができればいいなと思います。」
社員  :「大東建託グループで介護事業を行うケアパートナーには、天井走行式リフトがある施設もあるので、そこでお試し体験ができるようなサービスがあるといいかもしれないですね。」
保護者 :「良いと思って作った家でも、後々こうすればよかったと思うこともたくさんありますからね。」

便利にしたことが、逆効果になることも?


島田さん:「スイッチひとつで、少しでも介助が楽になるような仕掛けがあといいですね。子どもたちと一緒にいる時間も増えますしね。」
保護者 :「でも、便利さを求めるあまり、色々と変えてしまうと、逆にできないことを増やしてしまう場合もあるので、障がい者本人が使い慣れているものは、むしろ変えない方がいいですよ。」

家族のプライベートの確保は?

社員  :「アンケートを見ると、“家族のプライバシーを守れる、鍵付きの部屋がほしい”という意見もありました。みなさんは、ご自身のパーソナルスペースを確保できていますか?」
保護者 :「ないですね。考えたこともないかもしれないです。私はあまり望んでないですね。」
保護者 :「でも、例えばヘルパーさんであっても、やっぱり家族以外の人を家に上げるのは気を遣うので・・・限られた部屋にだけに出入りきる間取りだと嬉しいですね。」

企画者の西澤さんに感想をお伺いしました!


長野支店 設計課 西澤 沙矢香さん

私の娘は、8年前、小学校一年生で急性脳症を患い、後遺症のために寝たきりの状態になりました。現在、NPO法人STARSさんにお世話になっていることもあり、今回のイベントを企画しました。
障がいがあるご家族をお持ちの方同士で「住宅」や「暮らし」にフォーカスした見交換をする機会はなかなか無いと思います。私が一番印象に残っている話は、50代のお母さんが毎日体重52kgの娘さんをおんぶして、2階の寝室まで階段で移動しているという話です。小柄で細身にもかかわらずそれが当たり前になっているのか、大変さをあまり気にされていない事に衝撃を受けました。また、親亡き後の子どもの住まいや生活についても、みなさんとても悩まれていました。
障がい者と一括りに言っても、障がいの内容によって出てくる意見は大きく異なることもあり、「誰もが快適に」というのはなかなか難しい課題だと感じました。ただ、今回のイベントでいろいろなご意見を伺うことができたので、理想の住まい開発への第一歩を踏み出せたのではないかと感じています。

記念撮影!

参加者のみなさんと考えた「理想の家」の間取り

「住まい」を平等に

障がい者の方々やそのご家族に限らず、「住まい」は誰にとっても安らげる場所でなくてはなりません。住み替えがしやすい、ライフスタイルに合わせやすい賃貸住宅を主力とする大東建託グループだからこそ、住まいへのチャレンジができると信じています。これからも暮らしや住まいに寄り添う企業として、このイベントで“託された”ご意見やアイデアを、未来の「誰もが快適に暮らせる賃貸住宅開発」のヒントとするだけでなく、広く社会に広く発信していくことで、「誰ひとり取り残さない社会」の実現に貢献していきます。

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