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特別対談|ROOFLAG(ルーフラッグ))賃貸住宅未来展示場を語る MOUNT FUJI ARCHITECT STUDIO×大東建託

特別対談|ROOFLAG(ルーフラッグ))賃貸住宅未来展示場を語る 特別対談|ROOFLAG(ルーフラッグ))賃貸住宅未来展示場を語る

国内最大級のCLTを使うなど、随所に新たなチャレンジを取り入れた「ROOFLAG(ルーフラッグ)賃貸住宅未来展示場」。
今回は、設計を担当する株式会社マウントフジアーキテクツスタジオ一級建築士事務所の原田真宏氏・原田麻魚氏と、
大東建託の執行役員でプロジェクトマネージャーの舘正文による対談の様子をご紹介します。

賃貸住宅の未来を発信する

大東建託はこれまで、2010年に品川本社内に見て・触れて・体験できるショールームを、2013年には名古屋支店内に同様のショールームを設置し、業界に先駆けた独自の賃貸住宅技術を体感いただく場を広げてきました。今回、これらのショールームに加え、新たに「ROOFLAG(ルーフラッグ)賃貸住宅未来展示場」を建設することで、より多くの方に向けて未来の賃貸住宅・暮らしについて情報を発信していこうと考えました。

真宏施設の名称に「未来」というワードが入っているのは、これからの賃貸住宅を考える発信源を提供したいという思いからですよね。私たちもその思いに共感して設計を担当させていただきました。

麻魚御社の賃貸住宅は、そこに人がいることを前提に「人がいる風景」を作っているんだと感じています。物づくりへの正直さ、正しいものを届けたいという思いがあって実現していることなので、それが強みだと思います。

人ということで言うと、この施設ではオーナー様や入居者様など、来場する多くの人たちに、賃貸住宅に関する様々な発見をしてもらいたいと思っています。そのためには、普通の建物では駄目でした。原田さんから提案いただいた設計は、特徴的なCLT(Cross Laminated Timberクロス・ラミネイティッド・ティンバー)「直行集成板」の屋根はもちろん、大きなコンクリート壁をラーチ合板による木目で表現するなど、想像を超えるものでしたね。

業界初の展示場完成で未来の賃貸住宅情報を発信する
大東建託株式会社 プロジェクトマネージャー 舘
業界初の展示場完成で未来の賃貸住宅情報を発信する
CLT
業界初の展示場完成で未来の賃貸住宅情報を発信する
ラーチ合板で木目を表現したコンクリート壁
(House toward Tateyama / 立山の家)
photo credit:Ryota Atarashi / 新 良太

真宏ラーチ合板の木目に関しては、私たちが以前から培ってきた技法なんですが、これだけの規模の壁に取り入れたということはありません。

以前に原田さんが手がけられた建物を見学に行きましたが、訪れたお客様が木造建築だと思い込むほど錯覚していましたよ。

真宏その他にも、ROOFLAG(ルーフラッグ)は360度どこの角度からも構造がわかるような設計にしています。

この構造は、昼も夜も開放的に見えますよね。

真宏これまでは、建物のファサードは道路側の壁面だったと思うのですが、今は携帯などで航空写真をすぐ見ることができ、建築の顔は屋根となりつつあるとも言われています。それに日本の伝統的な家の文化は、やはり屋根の文化なんですよ。Googleの衛星写真でこの展示場を見ることで、外国の人にも日本の文化を発信していけたら面白いですね。

業界初の展示場完成で未来の賃貸住宅情報を発信する

チャレンジングな取組み

この建築には新しい取り組みが随所に採用されていますが、CLT(直交集成材)でこれだけの大規模な建物を展開していくというのはまず前例がないことです。

麻魚大企業は、前例踏襲主義が一般的ですが、御社には未来に向けて発信していくという熱い想いがヒシヒシと感じられて、大東建託だから実現できる建物なのではと感じています。

当社は、すごく熱いんですよ(笑)

真宏建物が完成することによって、街自体の雰囲気まで変えていけるのが理想なんです。文化や雰囲気が定着していないこの新しい豊洲という街にとって、この建物が文化の種子となって根付いていってもらえたら本当に嬉しいです。

麻魚このプロジェクトが、更なる新しいアイデアや挑戦への道筋をつける第一歩になればいいなとも私たちは思っています。

そうですね。

「良い賃貸」の指針になるチャレンジングな取組み
「良い賃貸」の指針になるチャレンジングな取組み
原田 真宏氏
「良い賃貸」の指針になるチャレンジングな取組み
原田 麻魚氏

みんなでひとつの旗(フラッグ)を掲げ多くの人生に温かみをプラス

みんなでひとつの旗を掲げ多くの人生に温かみをプラス

当社は、全国で年間6万戸以上の賃貸住宅を供給しています。そこには、オーナー様や入居者様だけでなく、設計工事の協力会社様、不動産会社様、金融機関様など、多くの方々が関係しています。そのため、大東建託は全国の賃貸建物に関係する多くの方々に影響力を持っていると考えています。このプロジェクトで一つの革命的なものが世の中に発信できれば、今まで培ってきた賃貸事業のシステムや建築技術に、新しい大東建託の仕組みが融合して、業界全般にプラスになるのではないかと考えています。

真宏そうなると本当にいいですよね。そのためにも、この施設はただの展示機能を果たすだけではなくて、未来へのビジョンを示すものでなくてはいけませんね。

麻魚それは、実際に物を真摯に作ってきた御社にしかできないことなんだろうと私は思っています。

最近、自然災害が増加していることもあり、ますます安全な設計・施工が求められていますよね。私たちは賃貸住宅をもっともっと探求して、未来へのビジョンを示していかなければならないと感じています。

真宏それをフラッグとして示すことで、いろんな人の人生に温かみをプラスできたら嬉しいです。

何しろ誰もやったことがないプロジェクトですから、設計施工とも様々な困難は待っているかと思います。みんなで「賃貸建物で街づくりの在り方を変えるんだ!」という思いを胸に、ひとつの未来の旗を掲げていけたらと思います。

株式会社マウントフジアーキテクツスタジオ 一級建築士事務所

2004年に原田 真宏氏、麻魚氏が設立したアトリエ系建築設計事務所。常にチャレンジングな設計や技法を取り入れ、数々の作品を世に生み出している。
その作品の多くはJIA日本建築大賞やグッドデザイン賞など、国内外の主要な建築賞を多数受賞している。