楽しみな「老後」、
でも「お金」は不安…
「人生100年時代」なんて言葉を耳にするようになりました。60歳代、旅行に行きたい、語学を学びたいなど、まだまだ楽しみたいことが山ほどあると言いつつ、やっぱり心配なのが「お金」のことではないでしょうか。特に定年後は、年金が主な収入源となり、収入が減ってしまう方がほとんどで、日々のお金のやりくりにも不安を感じてしまうと思います。実際、老後の生活に不安を感じている方は非常に多く、その理由は「公的年金だけでは不十分」「貯蓄等の準備資金が目減りする」など、経済的な理由が大きな割合を占めています。
老後生活に対する不安の内容
老後のお金、どう維持する?
まず、年金中心の老後をイメージしてみましょう。総務省「家計調査」によると、1ヵ月当たりの収入が22.3万円程度なのに対して、支出は(非消費支出も含め)26.5万円程度。つまり、差額の4.2万円が毎月不足してしまうという計算になります。
高齢夫婦無職世帯の家計収支(2018年)
毎月の不足分を補填するために、お金を維持しておきたいところですが、老後のお金を維持・管理する方法は限られています。方法は、大きく分けて次の3つ
- ① 収入を増やす
- ② 支出を減らす
- ③ 資産運用し、収益を稼ぐ
です。1つずつ見てみましょう。
「① 収入を増やす」は高齢者雇用が促進されている昨今とは言え、自身の健康上の問題から、現役世代と同じように働き続けることは難しいでしょう。
そうすると節約し「② 支出を減らす」について考えると思いますが、折角の余生を経済的な理由で楽しめないのは悲しいことです。
理想的なのは「③ 資産運用」で不労所得を得られるようにしておくことですが、ご存知のとおり、資産運用にはリスクを伴います。老後に長期的・安定的な収益を得られそうな資産運用とは何か、運用の種類ごとにどんなメリット・デメリットがあるのかなど、早めに検討を始めることをおすすめします。
「65歳以上は高齢者」といわれるが・・・
1965年、世界保健機関(WHO)が「65歳以上の人口が全人口の7%を超えると高齢化社会とする」という見解を発表したことが契機で、65歳以上が高齢者と定義されるようになりました。ただ、現在は医療技術などの進歩により、当時よりも平均寿命は大幅に延びています。
例えば、厚生労働省の発表している「平成30年簡易生命表」を見てみると、1965年から2018年の間に90歳まで生きられる方が大幅に増えていることが分かります。
各年齢における生存率
65歳以上の方に残された時間が多分にある現代、老後の「お金」だけでなく、「時間」をどのように使うのかを考えることも不可欠でしょう。その上で、楽しい時間を過ごすために必要な老後資金を考えることが非常に重要です。
あと30年生きるための準備を
人生100年時代…100歳まで長生きできるわけない!と思われる方も多いと思いますが、前出した表を見る限り、95歳まで生きられる方が男性で10人に1人、女性で4人に1人いらっしゃいますので、少なくとも65歳からあと30年生きることは、決して非現実的ではありません。
65歳から年金をもらい始めたとして、毎月4.2万円の不足…つまり、30年間で約1,500万円(4.2万円×12ヶ月×30年)の不足となり、話題となった老後2,000万円問題というのも決して大げさではありません。
将来のことを考える元気がある今だからこそ、老後の過ごし方や資産運用など、早めに考え行動を起こす必要があるのです。
介護、実家の土地、老後資金など…
生活費以外の「老後の不安」を1冊にまとめました。