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自宅から賃貸併用住宅への収益物件化

公開日: 2022.10.28

最終更新日: 2023.11.21

公開日:2020.09.22

賃貸併用住宅とは、オーナーの居住空間とは別の独立した居住スペースを設け、その居室を賃貸に利用することで、家賃収入も得られるという賃貸経営のスタイルです。
ここでは、賃貸併用住宅のさまざまな活用例や、実際の賃貸経営を行う上で重要になる点、経営する上で学ばなければならない事柄など、自宅の建て替えで賃貸併用住宅を考えている人に向けた情報を整理して、賃貸経営を軌道に乗せる方法を考えてみたいと思います。

この記事のポイント
  • オーナーのライフスタイルの変化に応じた活用ができる
  • オーナーと入居者同士のプライバシーを守るため、居住空間を分ける動線設計や遮音性能が必要
  • 経営には確定申告が必要。状況によって青色申告にすれば税制上の利点がある
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住む家を収益物件へ

家とは持ち主にとって大きな財産です。 住みながら家賃収入が得られる賃貸併用住宅は、家族構成の変化やライフスタイルの変化など、さまざまなきっかけで自宅建て替えを検討する際に有利となることが多くあります。


上図の通り、賃貸併用住宅には4つのメリットがあります。
1つ目は、家賃収入を自宅のローンに充当できること。家賃収入によってローンを返済できる事業計画が立てられれば、年収に関係なくローンが組みやすくなります。
2つ目は、家賃収入を老後の生活費に充当できること。定年後も家賃収入が見込める為、例えば耐震性の強化やバリアフリーに考慮した家を新築で建てることも不可能ではありません。
3つ目は、子世帯に資産を残せること。賃貸併用住宅を相続する場合、相続税や固定資産税の軽減装置があります。
最後に、将来二世帯住宅にもできること。賃貸住宅はもともと各世帯に生活に必須な機能が備わっており、コストをあまりかけずに二世帯住宅へ転用できます。

さまざまなカタチの賃貸併用住宅

賃貸併用住宅は、さまざまな形があり、また住宅そのものに柔軟性をもたせることで、家族の状況に応じた運用ができます。

まず、賃貸併用住宅の基本的な設計は、オーナーが住む住宅部分と、賃貸の部分を完全に分ける空間にすることです。
賃貸部分には、居住者用にそれぞれトイレやバス、キッチンなど、生活に必要な設備が備わった構造が賃貸併用物件には必要となります。

最上階自宅プラン

最上階を自宅にして、残りを賃貸とするパターンです。
眺望が開け、日当たりがよい最上階にオーナーが住めるというメリットがあります。

1階自宅プラン

3階建ての1階部分を、オーナーの自宅に利用するパターンです。
メリットとしては、外への出入りが楽になること。また庭の部分をオーナーの私有地として使えるといった点があります。

2世帯住宅プラン

3階と2階を自宅として使用し、1階を賃貸とするパターンや、出入りがしやすい1階を自宅にするパターンなどがあります。2世帯住宅型の利点は、子供がまだ幼い、独身で一人暮らししているなど、今すぐ2世帯住宅が必要でない間は賃貸物件に使い、後に子供が家庭を持った際に、賃貸していた居住スペースを子供の居住用に切り替える、などの使い方ができます。

住み替え

また、リフォームが必要となりますが、自宅を賃貸部分へ住み替え、自宅スペースだった部分を賃貸へ変更することも可能です。
例えば、息子さんや娘さんが自宅を離れ、今の自宅が不要に広くなった場合や、段差のない1階に住み移りたいなど、賃貸併用住宅の場合、オーナーのライフスタイルの変化にも柔軟に対応することができます。



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賃貸併用住宅の収益偏重に潜む危険を防ぐ

賃貸併用住宅の利点は、オーナー自身が暮らしながら収益を得られることにあります。 しかし賃貸部分に入居者を呼び込むためには、物件そのものが魅力的でなくてはなりません。特に賃貸併用住宅は、同じ住宅内にオーナーが住んでいるため、入居者の動線に懸念を持つ方もいます。
その懸念を払拭するため、自宅部分と賃貸スペースを明確に区分し、オーナーと入居者、互いのプライバシーを守ることができる工夫が重要になります。

オーナーの住居と賃貸スペースが階ごとに分かれている住宅スタイルでは、オーナー用と入居者用のエントランスを別個にして、住居にアプローチする動線を分けたり、オーナー専用のホームエレベーターを採用するなどの工夫を凝らすことで、入居者のプライバシーに配慮した快適な住環境を成立させることができます。

また賃貸併用住宅で特に問題になりやすいのが騒音です。
オーナーと入居者が同じ住宅に暮らす以上、互いの生活音をなくすことはできません。 賃貸併用住宅では、防音設備の充実や賃貸部分の直上を書斎など比較的音が発生しにくい部屋を配置するなどの部屋の配置工夫の他、大音量の音楽を流さない、楽器の演奏を制限するなど、未然に騒音トラブルを防ぐため、入居者へのルール作りが必要となります。
壁や床の防音施工だけでなく、部屋や家具、水まわりの配置の工夫で、生活音を抑えるといった方法があります。

賃貸併用住宅の管理方法

賃貸併用住宅を所有するオーナーの多くは、賃貸部分の管理に関しては専門の管理会社に委託するケースが大半になります。 専門会社による管理方法には下記の2種類の方法があります。

一括借上委託

賃貸部分を不動産会社に一定の契約期間、入居者募集や契約、管理・運営業務管理を委託することで、入居者の有無に関わらず安定した家賃収入を受け取ることができます。 管理、運営をすべて一括で委託するため、オーナーの手間が掛からない反面、家賃収入から手数料が引かれたり、契約更新時に築年数経過などによっては管理会社との協議で賃料が見直しになるケースがあります。


物件管理のみ委託

不動産会社へ物件の管理のみを委託し、貸借契約はオーナーと入居者が直接行います。この場合、入居者の募集は不動産会社に委託するのが一般的ですが、空室対策はオーナーと不動産会社が協力して行います。
オーナーの収入は一括借上と比較して割高になる反面、空室時には家賃収入がなくなるリスクがあります。

ローンに関して

通常、賃貸住宅はアパートローンなど事業性融資のローンでお金を借りますが、賃貸併用住宅では要件を満たせば、アパートローンより金利も低くて借入期間も長く取りやすい住宅ローンで借りられます。
要件は、取扱金融機関や商品によって違いもありますが、多くの商品では居住部分を建物全体の51%以上(つまり、賃貸部分を49%以下)とする必要があります。

また、賃貸併用住宅を住宅ローンで借りる場合、アパートローンのように家賃収入を返済財源とすることが出来ない点に注意が必要です。
なお、住宅ローンとアパートローンは併用されるケースもありますが、賃貸併用住宅の場合、1棟の建物の中に賃貸部分と住居部分があるため、基本的にはどちらかしか使えません。ローンを組む時に建物を担保として提供するからです。


その場合、土地を分筆して、賃貸住宅と戸建住宅をそれぞれ1棟ずつ建てれば住宅ローンとアパートローンを併用することもできます。
住宅ローンとアパートローンを併用することのメリットは、住宅ローンが主に住む人の年収を返済原資としているのに対し、アパートローンは賃貸住宅が生み出す収益を返済原資としているため、うまく活用すれば借入額を大きくすることができるという点です。

税制、確定申告に関して

賃貸併用住宅は、オーナー自身の住居であると同時に、不動産投資物件でもあるという特殊な形式の住宅になります。
そのため賃貸併用住宅を成功させるには、税制をはじめ、様々なことを学んでおく必要があります。

また家賃収入がある場合は、毎年、確定申告が必要になります。その場合、家賃収入は不動産所得になるため、様々な税制上の利点がある青色申告が可能です。
青色申告の利点には、最大65万円が控除される青色申告特別控除、一定の条件を満たした事業従事者への給与を必要経費に参入できる青色事業専従者控除などがあります。

まとめ

家賃収入の他、暮らし方の多様性や将来への安心感など、メリットの多い賃貸併用住宅ですが、通常の戸建住宅を建てるときとは異なり、配慮しなければならないことや、必要な手続きも色々出てきます。
賃貸経営である以上、市場や入居者のニーズに沿った建物計画になっているかどうか、賃貸部分の管理運営面はどうおこなうか、理想とする収支計画は実現できるのかなど、専門企業の情報を踏まえながら、ご家族でしっかりと話し合いをしたうえで、検討することが大切です。

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