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賃貸住宅経営 トラブル回避!賃貸借契約を結ぶ時の注意点



<記事のポイント>

契約トラブルの未然防止にも!重要事項説明
敷金の扱いや原状回復について、借主と認識を共有
残置物の扱いについて慎重に検討


4月からの新年度は進学、就職、転勤等々、新しい生活がスタートする方も多い季節。それに伴って、直前の3月は、新しい入居者との契約手続きや退去する入居者との解約手続きが多くなる時期でもあります。後々のトラブルを回避するために、賃貸経営を行っているオーナーとして、賃貸借契約の基本知識をおさえておくとよいでしょう。今回は、賃貸借契約に関する注意すべきポイントを説明します。

重要事項説明について

不動産会社に仲介を依頼し、入居者募集から契約手続きまで行ってもらっている場合、賃貸借契約前には、仲介業者である不動産会社が重要事項説明を行うことになります。重要事項説明とは、契約の成立前に借主に対して、取引上の様々な制約や取引条件について重要な事項を説明することです。賃貸借契約をオーナー自ら行う場合は、宅地建物取引業には当たらないため、物件についての重要事項説明は義務付けられてはいません。しかし、後々トラブルになることを回避するためにも、明文化して重要事項説明を行っておくことが望ましいでしょう。

重要事項説明後、賃貸借契約手続きを進めていくことになります。
重要事項説明の項目には、例えば以下のようなものがあります。
 ・物件の概要(名称・所在地、部屋番号、構造、面積等)
 ・飲用水、電気、ガスの整備状況
 ・建物の設備の整備状況(台所、便所、浴室等)
 ・賃料以外に必要な金銭(敷金、礼金、更新料等)
 ・契約期間と更新の内容

最近は社会的にも「安全性」が注目される時代です。そのため、以下のような項目に関する説明も重視されています。 
 ・災害が発生する恐れが大きい区域かどうか(造成宅地防災区域、土砂災害警戒区域、津波災害計画区域等)
 ・建物の安全性(石綿〔アスベスト〕の使用有無、耐震診断の結果等)

他にも重要事項として説明すべき内容として様々なものがあります。説明すべき内容の詳細や実際の様式例は国土交通省のホームページに紹介されているので、参考にされるとよいでしょう(http://www.mlit.go.jp/common/001143590.pdf)。

退去時の原状回復について

退去の際にトラブルになりやすいこととして原状回復の問題があります。原状回復とは、借主の故意・過失や通常の使用を超えるような方法での使用など、借主の責任によって生じた住宅の損耗やキズなどを復旧することを言います。一方で、経年劣化(建物・設備などの自然的な劣化、損耗等)によるものや、通常損耗(借主の通常の使用により生ずる損耗等)についての修繕費は、家賃に含まれているものとし、借主による原状回復義務はないとするのが原則であるとしています。
では、原状回復をめぐる借主の責任範囲はいったいどの程度なのでしょうか。その疑問については、東京都のガイドラインが次のように各設備の耐用年数と借主の負担割合とを定められています。

 http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-9-jyuutaku.pdf

住宅設備の補修などにかかった費用は、経過年数に従って借主に一部を請求することができるので、
それぞれの設備の耐用年数については頭に入れておきたいところです。

退去時の原状回復とそれに伴う敷金精算に関するトラブルが多いのは、貸主と借主との間で認識が共有されていないことに原因があるものと考えられます。契約の際に、重要事項の説明とともに、敷金の扱いや原状回復についての考え方について別添資料を用意し説明するなどして貸主、借主それぞれがお互いに認識を共有することが大切だと言えるでしょう。

造作買取請求について

借主が入居後に貸主に承諾を得て、システムキッチンや温水洗浄便座付トイレなどを設置することもあるでしょう。部屋に附帯して設置したそれらのもの(以下、造作)は基本的に借主の所有物です。しかし、賃貸借契約の終了時に、借主は貸主に対して、その造作を買い取ってほしいと請求することができる権利を有しています。この権利を「造作買取請求権」と言います。
ただ、貸主の同意なく設置された物については買取を拒否することもできますし、あらかじめ契約時に造作買取請求権を排除する特約を定めておくことも可能です。貸主が承諾していた場合でも、退去時にその造作の処分をどうするのか(そのまま置いて利用するのか、処分費を借主に請求するのか等々)についてあらかじめ決めておくことが望ましいでしょう。その造作の不具合などが次の入居者とのトラブルの原因になる可能性もあるので残置物の扱いについては慎重に検討されることをお勧めします。

まとめ

契約時に注意しておきたいことを大まかに説明しましたが、トラブル回避の方法は、全てひとりで考えようとしないことです。賃貸借契約におけるトラブルの相談窓口を活用したり、管理会社の一括借上などを利用して入居者管理の代行をしてもらったり等々、専門家の手を借りるということを考えてみるのも一案です。また、一括借上であれば原状回復費のオーナー負担なしというプランもあるので、検討してみるとよいでしょう。
賃貸経営において入居者とのトラブルを極力減らすために、何が必要かを考えるきっかけにしてみてください。


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