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相続を円滑に進める「遺言書」の書き方

公開日: 2022.10.28

最終更新日: 2023.03.17

公開日:2018.02.13

最近相続にまつわる家庭裁判所への相談件数と遺産分割事件(家事調停・審判)の件数は年々増加傾向にあります。
2009年の13,505件と比較すると2018年は15,706件と約16%の増加が見られます。(裁判所 統計情報)特に、分割が難しい財産とされる不動産が相続財産金額全体の約4割強を占めており、遺産分割に関する相続トラブルが生じることも少なくありません。

円満・円滑な資産承継をおこなうに、「遺言」という方法があります。
今回のコラムでは、遺言書の書き方について整理していきたいと思います。

1:裁判所統計情報
2:国税庁 平成29年分の相続税の申告状況について

この記事のポイント
  • 遺言書は、内容の自由度は高いが、法的な拘束力があるため、その作成方法は厳格に定められている。
  • 一般的なエンディングノートは、法的拘束力がないが、終末期の希望や自分の想いや資産の整理など、書ける内容の幅が広い。
  • 遺言書は、主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」がある。いずれにしても遺言者が亡くなった後に、遺言状が開封されなければ効力を有しない。

遺言書とエンディングノートの使い分け

「遺言書」も「エンディングノート」も、あらかじめ作成しておけば相続にまつわるトラブル回避に一定の効果があります。
まずはその使い分けについて整理しておきます。

遺言書

遺言書は自分が亡くなった後に、生前に所有していた財産をどのように引き継いでほしいか、または処分してほしいかなどを意思表示するためのツールです。
法的な拘束力も有しています。その拘束力ゆえに、遺言書の内容と異なる遺産分割を行うためには相続人全員の合意が必要となります。

エンディングノート

エンディングノートにも、自分の保有財産を整理するページを設けることはできます。
また、その保有財産をどのように分割や処分してほしいか等を記載しておくこともできます。しかし、遺言書とは異なり、法的な拘束力は有していません。そのため、エンディングノートに意思表示をしても、その通りに遺産分割等が行われるとは限りません。

遺言書が死後についての意思表示しかできないのに対して、エンディングノートは死後だけでなく、終末期における介護や成年後見等についての意思表示を行うこともできます。

また、エンディングノートによっては、保有財産の内容整理を行うためのページのみならず、自分史や大切な人へのメッセージを書き留めることもできます。遺言書を作成するためには資産の把握や自分自身の想いの整理等を行う必要があるので、遺言書作成の準備ツールとしても活用することができます。

エンディングノートについては過去のコラムでも紹介しています。

遺言書の種類

遺言書の種類の中でも一般的な「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」について、ご紹介します。

自筆証書遺言

全文を自筆で書く遺言書の形式です。遺言書の全文はもちろんのこと、日付及び氏名も自書し、これに印を押さなければなりません。但し「財産目録」については、2019年1月13日以降作成された場合はパソコン作成やコピー添付が認められました。なお各ページに署名押印が必要です。

<メリット>
自分で作成するので、費用がかからず、簡単に何度でも作成することができます。

また、証人が不要であるため、遺言書の内容や遺言書の存在を、自分以外に知られることはありません。

<デメリット>
説明自分で作成する遺言書の形式であるため、形式の不備が生じて内容が無効となる場合があります。

また、保管場所によっては、生前に利害関係者が発見し、破棄、改ざん等の危険性があります。

個人で保管していた場合、相続発生時には、家庭裁判所にて検認の手続きを行う必要があります。

(2020年7月10日以降、法務局に保管を申請している場合は検認不要となります)

公正証書遺言

証人二人以上の立会いのもとで、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人が公正証書の形式によって遺言書を作成するものです。

<メリット>
法律のプロである公証人によって作成される遺言書であるため形式不備により無効となる可能性が低いといえます。また、遺言書の原本は公証役場に保管されるため、破棄、改ざん等のリスクにさらされません。なお、家庭裁判所での検認手続きは不要です。
<デメリット>
遺言書作成に伴う費用が必要となります。また、証人2人以上の立会いが必要となるため、遺言書の内容を完全には秘密にすることができません。

相続が発生した時のために

自筆証書遺言、公正証書遺言、いずれにおいても遺言執行人をあらかじめ決めておくことをお勧めします。
自筆証書遺言の場合には自分しか作成したことを知らないわけですから、見つけてもらえない可能性もあります。

また、公正証書遺言も公証役場に原本保管されているからといって、遺言者が亡くなったことを受けて公証役場から連絡がくるものではありません。

遺言者が亡くなったことを受けて遺言書の内容を実現する為に必要な行為や手続してくれる人(遺言執行人)を決めておき、あらかじめお願いしておけば、遺言書に気づいてもらえないというリスクを回避することができます。

まとめ

遺言書を作成するためには、まずは自分の考えを整理した上で、様々なことを検討しながら作成する必要があります。

十分に検討がなされていない内容を記した遺言書が、相続トラブルの引き金となることもよくある話です。ひとりで抱え込まず、専門家のアドバイスも受けつつ作成していくことが、相続トラブル回避に役立つ遺言書を作成するコツなのかもしれません。

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